バイデン大統領と岸田総理の首脳会談では中国を念頭においた異例の発言が相次ぎました。ポイントは「前代未聞の約束」「対中戦略の大転換」です。

■「前代未聞の約束」いきなり防衛費増額を提示


小川彩佳キャスター:
今回の首脳会談では“前代未聞の約束”があったということですが、これはどういうことでしょうか?

星浩コメンテーター:
岸田総理は記者会見で「防衛費の相当な増額を確保する決意だ」と言ったのですね。この増額はどのぐらいかというと、自民党も示してるんですが、現在▼5兆円のところ5年後には▼10兆円にするということなので、1年1兆円ぐらいのかなりの増額になるわけです。



通常、「予算」というのは予算編成作業があって、その後国会の論議があって成立するわけですけど、他国の首脳にいきなり増額を示すという、非常に“前代未聞”“異例中の異例”の展開だと思いますね。

小川キャスター:
一方でバイデン大統領からも踏み込んだ発言がありました。「中国が台湾を攻撃したら、軍事的に関与する」と明言したわけですけれども、これはポロッと出た発言なのか。それともある程度計画的な発言なのか、どうなんですか?


星コメンテーター:
アメリカ政府内では「失言だけれども本音だ」という反応がありますね。つまり、今までアメリカは台湾有事があっても軍事介入をするかしないか曖昧にしていたわけです。しかし、今回は踏み込んだ発言をしたということで、中国側も強く反発している。その踏み込んだアメリカの姿勢を日本が後押しするということが、今回の首脳会談の大きな眼目だったということが言えると思いますね。

■経済分野の対中戦略大転換 求められる“日本なりの立ち位置”


小川キャスター:
そしてもう一つのポイントが「IPEF(インド太平洋経済枠組み)」の立ち上げです。これは経済の分野で中国との向き合い方を大きく変えるということでしょうか?

星コメンテーター:
これまで経済の分野では“中国を巻き込んで経済が発展すれば民主化も進むだろう”という姿勢だったのですが、むしろ中国が強権的な姿勢になっているということを受けて、それであれば中国を外した形での枠組みを作ろうと。



例えば、半導体については供給網を中国抜きで整備しよう、というようなプランがあるわけですね。中国に対して経済面で押し返していこうというプランなのですけども。しかし考えてみると、日本の場合は貿易面では輸出・輸入とも中国が一番の相手なんですね。ですからアメリカとはやや立ち位置が違う。


そこで、アメリカに追随して中国包囲網一辺倒というわけにはなかなかいかない。日本は“日本なりの立ち位置”をどうこれから作っていくか。

それで、防衛費もそうなのですが岸田総理には国民世論との対話を通じて、対中政策をきちんと練り直していただきたいと思いますね。