高級ブランド、海外旅行、大金…かつて特殊詐欺の主犯格だったフナイムさんは、魅力的な幻影を追いかけて“闇バイト”の深淵に陥りました。しかし、手に入れたものは破滅でした。服役し地獄を見たフナイムさんが、若者への警鐘としてその体験を語りました。SNSの誘惑に打ち勝つ一助となるフナイムさんの言葉は若者たちに届いたのでしょうか-。
◆暴力団、半グレの影「抜けられなかった」

フナイムさん「特殊詐欺事件の主犯格として僕は逮捕されました。ディオールの鞄がほしい。ヴィトンの財布がほしい。海外旅行に行きたい。お金が必要だ。それでお金を追ってしまった結果、夢を捨ててしまって、こういうことになってしまった」
久留米大学(福岡県久留米市)で先月26日に開かれた特別講義。学生たちを前に闇バイトの実体験を語ったのは、元特殊詐欺犯のフナイムさんです。金を稼ぎたい一心だった20代の頃、知り合いに「昼間に稼げる仕事がある」と誘われたのが詐欺グループでした。
フナイムさん「抜けられなかった。身分証のコピーを渡してしまった。ばれたらどうなるかわかるよねって。某暴力団の名前がちらほら、半グレの名前が出てきた。震え上がりますよね。怖いですよね。やるしかない」
◆月収2000万円へ闇バイトの甘い罠にはまり服役

報酬は50万~100万円と言われていたのに、最初はその一部しかもらえなかったといいます。それでも月に2000万円を稼いだ月もありました。詐欺を続け、いつしか特殊詐欺犯のリーダー格に。しかし、2015年特殊詐欺の容疑で警察に逮捕されます。フナイムさんは懲役5年4か月の有罪判決を受け、服役しました。出所後、同じ過ちを犯す人がいなくなるよう、特殊詐欺や闇バイトの危険性を伝える活動を続けています。フナイムという名前も、刑務所で呼ばれていた「2716番」という番号から、名付けました。
フナイムさん「一生社会で罪を償うという戒めのためフナイムという名前をつけました。闇バイトは犯罪者の生け贄です。バイトではありません。犯罪者の生け贄です。捨て駒です」














