
イチローさん:
1番最初に連絡を頂いたから。理事長から熱い手紙が届きまして『なんとかベスト8の壁を破りたい』と。みんなが疑問に思ったこと、興味のあること。なんでもいいので聞いてください。

イチローさんの学生野球資格回復を知った同校の福中儀明理事長が「これは動かないわけにはいかない」と即座にメッセージを送り実現した訪問。メッセージには、チームとして夏の大会でベスト8の壁を越えたいということ、技術的な成長はもちろん、人としての成長のためにぜひ一緒にプレーを、との思いを込めたと言います。この理事長からの熱い思いは、全国で“1番最初”にイチローさんの元に届き、イチローさんは今年指導する3校を選ぶ上で、1番に千葉明徳への訪問を決めたそうです。
「一歩目に気をつけて」
指導2日目のこの日は、2本の白いラインを使った走塁練習。ロスのない走りをイメージさせるのが狙いです。まずは選手たちに自由に走ってもらいます。
イチローさん:
線のどこを走った?
選手:
ラインの外側ですね。
イチローさん:
感触としてもうあった?はみ出してるって。
選手:
ありました。
イチローさん:
ダメです(笑)。
選手:
下を見ながら走っていると自分の足のある場所がよく見えて・・・。

それはそうでしょうね(周りの選手たちも笑顔)。下見て走らない!ちゃんと自分の形で走ってよ、まずは。僕らで見ているから確認しないで。
最初は全然(ラインの外に)外れていい。一歩目をここ(ラインの内側)にもってくる。一歩目ここ来たら、あとは軌道に乗っていくイメージ。一歩目気をつけて。

早速アドバイスを実践する選手たち。
イチローさん:
大丈夫、大丈夫。ナイスナイス!
「低い弾道でのバックホーム、どうしたら・・・?」
守備練習ではこんな質問が-。
選手:
自分はバックホームなどの送球の際に球がすっぽ抜けてしまって。イチローさんは低い弾道でバックホームやっていましたよね。どのようにしたら・・・。
イチローさん:
毎回すっぽ抜ける?
選手:
毎回ではないです。
イチローさん:
急いでない?
選手:
急いでいるときにすっぽ抜けたりします。
イチローさん:
そうだよね。急ぐよりもまず自分の形にならないと。外野手の送球ってここ(ボールを離す位置)がズレたら全部外れるから。時間かけてもいいから、まず捕ってから自分の形にする。