イチローさん(48)が12月2日~3日に指導に訪れたのは、千葉県の千葉明徳高校。創部45年、夏の県大会は3年連続ベスト8で、甲子園出場経験はありません。11月の国学院久我山に続き、今年2校目の訪問先として千葉明徳を選んだ理由を、イチローさんが部員たちに明かしました。

円陣を組んでイチローさんを迎える選手たち

イチローさん:
1番最初に連絡を頂いたから。理事長から熱い手紙が届きまして『なんとかベスト8の壁を破りたい』と。みんなが疑問に思ったこと、興味のあること。なんでもいいので聞いてください。

福中儀明理事長

イチローさんの学生野球資格回復を知った同校の福中儀明理事長が「これは動かないわけにはいかない」と即座にメッセージを送り実現した訪問。メッセージには、チームとして夏の大会でベスト8の壁を越えたいということ、技術的な成長はもちろん、人としての成長のためにぜひ一緒にプレーを、との思いを込めたと言います。この理事長からの熱い思いは、全国で“1番最初”にイチローさんの元に届き、イチローさんは今年指導する3校を選ぶ上で、1番に千葉明徳への訪問を決めたそうです。

「一歩目に気をつけて」

指導2日目のこの日は、2本の白いラインを使った走塁練習。ロスのない走りをイメージさせるのが狙いです。まずは選手たちに自由に走ってもらいます。

2本のラインを引いての走塁練習

イチローさん:
線のどこを走った?

選手:
ラインの外側ですね。

イチローさん:
感触としてもうあった?はみ出してるって。

選手:
ありました。

イチローさん:
ダメです(笑)。

選手:
下を見ながら走っていると自分の足のある場所がよく見えて・・・。

走塁練習
イチローさん:
それはそうでしょうね(周りの選手たちも笑顔)。下見て走らない!ちゃんと自分の形で走ってよ、まずは。僕らで見ているから確認しないで。
最初は全然(ラインの外に)外れていい。一歩目をここ(ラインの内側)にもってくる。一歩目ここ来たら、あとは軌道に乗っていくイメージ。一歩目気をつけて。

右足がラインの外に

早速アドバイスを実践する選手たち。

イチローさん:
大丈夫、大丈夫。ナイスナイス!

「低い弾道でのバックホーム、どうしたら・・・?」

守備練習ではこんな質問が-。

選手の質問に熱心に答えるイチローさん


選手:
自分はバックホームなどの送球の際に球がすっぽ抜けてしまって。イチローさんは低い弾道でバックホームやっていましたよね。どのようにしたら・・・。

イチローさん:
毎回すっぽ抜ける?

選手:
毎回ではないです。

イチローさん:
急いでない?

選手:
急いでいるときにすっぽ抜けたりします。

イチローさん:
そうだよね。急ぐよりもまず自分の形にならないと。外野手の送球ってここ(ボールを離す位置)がズレたら全部外れるから。時間かけてもいいから、まず捕ってから自分の形にする。