先月、長崎県内の女性が経営する職場に1万2千回あまりわたって電話をかけ、業務を妨害したとして、諫早市の63歳の男が1日朝、逮捕されました。
偽計業務妨害容疑で逮捕されたのは諫早市の63歳の無職の男です。

警察の調べによりますと男は5月20日から29日にかけて、県内の50代の女性が経営する職場の代表電話に、携帯電話から1万2,206回にわたって電話をかけ、業務を妨害した疑いが持たれています。
男は去年9月の交通事故の関係者が被害者の職場にいると思い込み、電話をかけ続けていたということで「電話をかけたのは間違いないが、業務を妨害したつもりはない」と容疑を一部否認しています。
警察は詳しい動機などについて調べることにしています。
【事件詳報】
着信拒否などの対応は?
交通事故の相手が被害者の職場にいると思い込んでいた男から、職場に頻繁に電話がかかってきていたことから、被害者の女性経営者は今年3月に警察に相談し、着信拒否などの対応を取っていました。
女性経営者は「そういった人はいない」と男に何度も説明しましたが、納得しなかったようです。
男がかけた電話自体は会社の電話にはつながっていなかったことになるが、偽計業務妨害は成立するの?
警察が電話会社に確認したところ、着信拒否のサービスを利用して『相手との電話がつながらないようにした』としても、執拗に電話をかけられたことによって、“他の人からの電話がかかりにくくなる状態には陥る”ということです。このため、警察は偽計業務妨害罪を適用し、逮捕に踏み切ったということです。
そもそも10日間で1万2,206回って、どのくらいの回数?
単純計算でいくと 1日あたり約1,220回。1時間あたり50回ですが、24時間電話をかけ続けるのは現実的ではなく、会社が開いているのを仮に10時間とすると1時間平均で122回。
30秒に1回は発信していることになります。
男が容疑を一部否認しているのはなぜ?
男としては着信拒否されているので、電話はつながらない状態でした。
このため「業務を妨害したつもりはない」と話しているようです。
上記の通り、着信拒否の状態だったとしても、過剰に電話をかけ続けることは、他に電話をかけてきた人に影響し、業務妨害になる可能性があります。