中国軍の戦闘機がアメリカ軍機の目の前を横切って飛行し、アメリカ側が非難しました。

これは、アメリカ・インド太平洋軍が今月26日に撮影したとする映像です。飛んでいるのは中国軍の戦闘機「殲16」。左に大きく舵を切り、アメリカ軍機の目の前を横切っていきました。

映像が撮影されたのは南シナ海の公海上空で、「中国軍機による必要のない攻撃的な操縦によって、アメリカ軍機は後方乱気流の中を飛行せざるを得なくなった」と非難しました。

アメリカは去年11月、中国に対して、中国軍機による危険な行動が増えていて事故のリスクが高まっているとの懸念を伝えましたが、その後も中国軍機がアメリカ軍機に異常接近する事態が起きています。

中国外務省 毛寧 報道官
「アメリカ側が長期にわたり頻繁に艦船や航空機を派遣し、中国に対し接近偵察を実施して中国の国家安全を著しく脅かした。アメリカ側は直ちにこのような危険な挑発的行動をやめるべきだ」

これに対し、中国外務省の毛寧報道官はアメリカ側に原因があると反論。「このような挑発的で危険な行動は問題を引き起こす根源だ」と非難しました。

そのうえで「中国は引き続き必要な措置を講じて自身の主権と安全を断固守る」としています。

また、南シナ海を管轄する南部戦区の報道官も「アメリカの偵察機が故意に訓練区域に侵入して妨害した」と主張。「アメリカの行為は地域の平和と安定を著しく損なう無謀なものだ」と批判しています。