国が生活保護費の基準額を引き下げたのは違反だとして減額の取り消しを求めた裁判で、静岡地裁は5月30日、原告の訴えを認める判決を言い渡しました。
原告の1人で、浜松市に住む山本定男さん(78)です。
<山本定男さん(食材をみながら)>
「きょう…29(日)?昨日で賞味期限切れとる」
元はとび職をしていましたが腰を痛めてから働けなくなり、15年ほど前から生活保護を受けています。
<山本定男さん>
「(ため息)いたたた」
6万5470円。山本さんはこの金額で毎月暮らしています。生活保護が頼りのぎりぎりの生活。食費を切り詰めるしかないと、食事の回数を減らし少しでも安いものを小分けして食べます。
<山本定男さん>
「先立つものがない。生きてるだけ!」
生活保護制度をありがたい存在とは思っているものの、この金額では生活は限界だと話します。
<山本定男さん>
「はっきり言って5万6万でこんなことできるご時世?最低、文化的なとか健康的なってできるわけがない。どんどん体が悪くなる」
訴えているのは山本さんを含め生活保護の受給者6人です。訴状などによりますと、国は物価下落などを理由に2013年から3年間で食費や光熱費などの生活部分の基準額を最大で10%引き下げ、あわせて670億円を削減しました。原告は居住する自治体を相手取り、減額処分の取り消しを求めたのです。
<伊豆川洋輔記者>
「言い渡しは原告側の勝訴です。生活保護費の引き下げの取り消しを求めている原告側の請求は認められる形となりました」
30日午後1時すぎ、原告団や支援者から歓喜の声があがりました。
静岡地裁で開かれた裁判で菊池絵理裁判長は原告側の訴えを認め、自治体側に引き下げの取り消しを命じました。
<原告 山本定男さん>
「こんなに喜ばしいのは何十年ぶり。久しぶり。原告になって一番うれしい。7年間闘ってきて本当に良かった」
弁護団長は判決の意義は大きいと評価します。
<大橋昭夫 弁護団長>
「(生活保護の)実態を直視して政策を打ち立てていてくのが本来の政治の在り方」
生活保護の減額取り消しを求めた裁判は29の都道府県で起こされていて、原告側の勝訴は11件目となりました。一方で原告敗訴も10件あり、司法判断は真っ二つに割れています。
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