ジャニーズ事務所前社長による性加害問題で、同事務所の藤島ジュリー景子社長が見解を動画と文書で発表して1週間。ジャニーズ事務所所属タレントがキャスターを務める報道番組はどう伝えたか。音楽プロデューサー・松尾潔さんはRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』で「ジャニーズ問題はメディア全体のあり方が問われている」とコメントした。

◆ジャニーズ事務所社長の動画公開から1週間

先週もこの番組でコメントしましたが、ジャニーズ事務所が見解を発表したあとの1週間について、今朝は時系列を追いつつ、僕の見解を添えたいと思います。

まずおさらいします。先週僕は、藤島ジュリー社長の謝罪動画と文書での見解発表を受けて、創業以来の「トップは表には出ない」という事務所の方向性を変えて顔を出したことは評価する一方、自社サイト内で動画と文書で回答を掲載しただけでは十分ではないと話しました。

加えて、記者会見をすべきだし、第三者委員会も必要ではないかとも話しました。それから1週間、いろんな動きがありましたね。

◆NHK『クローズアップ現代』が民放の報道姿勢に疑義

5月17日、NHKの『クローズアップ現代』が、“誰も助けてくれなかった”というタイトルで、ジャニーズと性加害問題を特集しました。かつて事務所に所属していた方の新たな証言もあったし、コメンテーター(松谷創一郎氏)はフジテレビとテレビ朝日を名指しして、民放テレビ局の報道姿勢に疑義を呈しました。

NHKの番組で民放局が名指しで批判されることは珍しいと思います。でも裏を返せば、この問題は一事務所の不祥事で済まされるものではなく、それを報じるテレビ、さらにメディア全体のあり方が問われていると痛感するできごとでした。