能見「去年は普通のスライダーだった」

井上:能見さんは今までの立場と見方が違うじゃないですか。今は解説者として外で見ていますけど、山岡投手の印象は変わりましたか?
能見:まっすぐの強さがね、だいぶ変わったので。その分、スライダーもより生きるというかね。去年はスライダーが全然ダメだったので。ずっとキャッチボールしていたんですけど、まぁ去年は普通のスライダーだったんですよ。だから本人にも言ったし、本人も納得していなかったし。
井上:ご自身ではどうだったんですか?能見さんにも言われ、ご自身でも感じるところがありましたか?このちょっとモヤモヤした部分だったのかもしれませんけれど。
山岡:コロナ明けくらいからスライダーが全然ダメで、体自体が扱えなくて。ある球種の中で抑えないといけないっていうので、結局、スライダーが軸というか、自分の中で軸になってくるボールなので。それをどうやって生かすかっていうところで、カーブの後のスライダーならまだよく見えるとか。そういうのをやっていったら、カーブがどんどん良くなっていって。
能見:普通はシーズン中に良くならないですよ。
山岡:めちゃくちゃカーブ投げられると思って。(笑)

山岡「あ、そうだ、能見さんがいると思って」

井上:4月25日に『山岡泰輔のピッチングバイブル』という本が出まして、能見さんのインタビューも記されていますね。
山岡:本を作る時に、誰が僕のことを一番知っているかという話になって。誰にインタビューしたら僕のことを一番知ってるのかなって思って。最初、キャッチャーの名前が出たんですけど、キャッチャーって試合の時しか捕ってないし、ブルペンもほとんど捕ってないんで。あ、そうだ、能見さんがいると思って。キャッチボールしてるし、能見さんに頼みました。
能見:はい、よく知ってるんで。
井上:相当ポテンシャルが高い?
能見:ポテンシャルもそうなんですけど、決して大きくない体を使えるというところがすごいですし。なかなか体を使えないピッチャーがいる中で、これだけ使えるっていうのもすごいですし。それでしっかりと表現できるというのもね、プロ野球の中でもなかなか数えるくらいしかいないので。夢も与えられるし、本当にすごいピッチャーですよ。
井上:山岡投手にとって、能見さんはどんな存在だったんですか?
山岡:2年間、本当に感謝しかないですね。キャッチボールもそうですし、やっぱり毎日自分の状態を知れるっていうのはなかなかないと思うので。投げた後にアドバイスをもらったりとか。この7年いない存在だったので、すごく楽しかったです。
井上:今は寂しいですか?
山岡:はい、だいぶ。
能見:いやいやいや、俺はだいぶ、オリックスに来てるよ。
山岡:いや、キャッチボールができない。
能見:キャッチボールは違う人とやって(笑)
井上:まだシーズンは続きますけれど、ここはちょっと見ておいてほしいというところがあれば、一つお願いします。
山岡:今年は攻めることができているので、そこをここから長いイニング投げられるように。そこを見せていけたらいいかなと思います。
井上:受け取りましたね、能見さん。
能見:はい、受け取りました。6回で降りたらすぐメールします。「また」って。