中国政府はフィリピンと領有権をめぐって対立する南シナ海の南沙諸島の周辺にブイを設置したと発表しました。このエリアではフィリピンも最近ブイを設置したばかりで、その対抗措置とみられます。

中国海事局と交通運輸省は24日、南シナ海の南沙諸島の周辺3か所にブイを設置したと発表しました。船舶の航行と安全を確保するためとしていますが、今月12日までにフィリピンの沿岸警備隊が南沙諸島の周辺にフィリピン国旗を表示した大型のブイ5基を設置したことへの対抗措置とみられます。

フィリピン側がブイを設置した海域では、2021年に何百隻もの中国籍の船が停泊していたこともあり、沿岸警備隊は「自国の領域と海洋資源を守るというフィリピンの揺るぎない決意を示すものだ」としています。

南シナ海では、先月23日にも中国海警局の船がフィリピンの巡視船に衝突寸前まで接近する事態が起きるなど、緊張が高まっています。