木喰仏(もくじきぶつ)と呼ばれる仏像をご存じでしょうか。江戸時代、木喰上人という僧が日本全国を行脚しながら彫った仏像のことです。その木喰仏が岡山県内で初めて赤磐市で見つかり、あす(24日)からの一般公開が決まりました。

(赤磐市 山陽郷土資料館 学芸員 田中愛弓さん)「こちらが今回発見された木喰仏です。少し口角をあげて優しく微笑まれている。まさに微笑仏と称される木喰仏らしい表情」
赤磐市の郷土資料館で公開されたのは、225年前に岡山県内で作られた木喰仏です。木喰仏は江戸時代に現在の山梨県生まれの僧・木喰上人が、日本全国を巡りながら人々の幸せを願って作ったものです。

各地で様々な姿の仏像が、これまでに626体確認されていますが、岡山県内では発見されていませんでした。ところが今年3月、資料館の学芸員が歴史調査の一環で地域の大師堂を調べたところ、仏具の中に木喰仏を見つけたのです。

(赤磐市 山陽郷土資料館 学芸員 田中愛弓さん)「思わぬ発見でしたので、とても驚きました。そしてとても嬉しく思いました」
岡山でも仏像を作っていたことが分かった木喰上人。鑑定に関わった就実大学の非常勤講師も興奮気味に語りました。

(就実大学非常勤講師 中田利枝子さん)「寛政10年9月1日に成就するとあります。木喰さんの旅の記録と、この作品に書かれた日付がまさにばっちり合うものなんですね」
学芸員は、岡山でも人々の幸せを願った木喰上人に思いを馳せてほしいと話します。
(赤磐市 山陽郷土資料館 学芸員 田中愛弓さん)「どのような気持ちで仏像を作ったのか、仏像をご堪能していただければと思います」

木喰像はあす(24日)から5月末まで、赤磐市の山陽郷土資料館で一般公開されます。