68年前に発生し、岡山では特に多くの被害者を出した森永ヒ素ミルク中毒事件。その原因となった粉ミルクの未開封缶が岡山市北区で展示されています。

事件当時のままの姿を残すヒ素が混入した時期に製造された未開封のミルク缶です。

岡山大学医学部の医学資料室に展示されています。

この事件は1955年、森永乳業のミルクを飲んだ乳児に高熱や激しい下痢などの症状が現れ、約130人が死亡、被害者は1万3000人を超え、68年経った今も後遺症に苦しむ人がいる事件です。

(岡山大学医学部 医学資料室 木下浩室長補佐)「空き缶としてはいくつか残っておりますけど、未開封の缶はおそらくこれが唯一のもの」

ミルクの安定剤として入れられた物質にヒ素が混入し岡山で特に多くの被害者を出したこの事件。未開封の缶は1970年代に被害者の家族から岡山大学医学部に寄贈されたもので、多くの人に知ってほしいと展示が決まりました。

(岡山大学医学部 医学資料室 木下浩室長補佐)「終わった事件ではなくていまでも苦しんでいる方がおられるし、かつて岡山でこんな事件が起きたのだと多くの方に興味関心をもってもらって、自分でも調べてもらうことが必要だと思います」

10月27日まで展示される予定で、見学には事前に予約が必要ということです。