自宅の布団の上で死亡 55歳女性の遺体を「CTスキャン」


次に運ばれてきたのは、自宅の布団の上で亡くなっていたという55歳の女性。


(院長)「頭は何もないね。体幹何かあった?」
(放射線技師)「いや…」
(院長)「何もないね。これまた55歳女性って若いね」「画像上明らかなものはない。これが死因だってはっきりするものはないな」

CTで脳の出血や骨折などは見つかりませんでした。

「手術痕はこれだけ。帝王切開ですね」


体の表面にも外傷はありません。

血液検査の結果、心臓の疾患によるものとの疑いが強いとわかりました。画像診断でも100%死因が分かるわけではありません。


(さくら総合病院 小林豊院長)
「だいたい20%強が画像だけで死因が分かる。(死因が分からなくても)今回は事件・事故は否定できて病死だとわかった」

画像診断1件あたりにかかる時間はおよそ20分。
しかし、“医療は生きている人へのもの”とのイメージは根強く、死亡後画像診断を行う病院はまだまだ少ないのが現状です。


(院長)「2件連続は?」
(放射線技師)「よくあります。夜中に7件来たことも」

ただ、正確な死因を知ることは病気を予防する政策にもつながり、生きている人の命を救うことにもなるのです。

(さくら総合病院 小林豊院長)
「異状死として死因が分からず見つかった人は全例、死亡後画像診断すべき」
「死因は一番最後に下さなきゃいけない一番大事な情報であり、亡くなっている人に施すべき医療があることをもっと世の中の人に知ってもらいたい」