金メダリストvs.日本のエース<男子走幅跳>

男子走幅跳の王と橋岡の対戦成績は、下の表のようになっている。

18年までの橋岡はまだ若く、力の差は明らかにあった。

19年以降は五輪&世界陸上でしか対決していないが、決勝では王が2連勝。決勝で記録を伸ばせない課題については、橋岡陣営もオレゴンで試し解決の糸口は掴んでいる。その点については機会を改めて紹介したい。

GGPのような予選のない競技会での対決は、17年GGP以来6年ぶりということになる。今季の成績は橋岡が4月28日に、トレーニング拠点の米国で8m11を跳んでいる。王は屋外の試合出場がなく、室内2試合に出場し2月28日に8m01、3月15日に8m09を跳んだ。今季の記録では互角という状況だ。

橋岡は昨年11月から約6カ月、米国のタンブルウィードTCで、走るスピードを上げる練習に絞って取り組んできた。サニブラウン・アブデル・ハキーム(24、タンブルウィードTC)ら、オレゴンの100m決勝進出者3人が在籍するチームだ。その成果がすでに出始めているが、GGPも王との対決よりも、自身の新しい跳躍技術に集中するという。

新しい助走を踏み切りにマッチさせることができれば、8m25のブダペスト参加標準記録も跳べるだろう。王とは抜いたり抜かれたりの混戦になるのではないか。6本の試技全てが、見逃せない種目になる。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)