ウクライナ東部・パブログラード出身のレペシュコ・アリーナさん(33)。広島に避難しているアリーナさんは終わりの見えないウクライナ侵攻を前に、G7広島サミットで何を望むのでしょうか。

ゼレンスキー氏来日へ ウクライナ避難者の望みとは

初めて原爆ドームを見たとき、思い出したのは“故郷の姿”だといいます。ウクライナ東部パブログラード出身のレペシュコ・アリーナさん(33)。

レペシュコ・アリーナさん
「ウクライナも日本のように復興して、発展した国になってほしいです。日本のことを尊敬しています」

ロシアの侵攻を受け、2022年5月、知り合いがいる広島に1人で避難しました。

ーー部屋のあちこちにウクライナカラーのものがありますね。

アリーナさん
「ウクライナ人ですから当然のことで、青と黄色が大好きです」
「壁に家族の写真があります」

故郷には、家族が住んでいます。友人は、兵士になって今も戦線で戦っているといいます。

アリーナさん
「ロシアの侵攻が終わったら、ウクライナの復興の力になりたいと思っています」

2023年4月、広島大学の大学院に進学したアリーナさん。経済学を学んでいます。

アリーナさん
「ここで得た経済学の知識を、ウクライナの経済を取り戻すために使えると信じています」

卒業後はウクライナに戻り、ウクライナと日本の架け橋になりたいと言います。

5月19日、ゼレンスキー大統領来日の一報を聞いて…

アリーナさん
「ゼレンスキー大統領が直接来ることはとても嬉しいです。ウクライナを侵攻しているロシアに対して、強い制裁などを呼びかけると思います。彼はウクライナのためなら何でもするから」

「核兵器使用の脅迫を受けないことを願う」

幼い頃からバレエをやっていたアリーナさん。日本に来て、日常が少しずつ取り戻されています。

ただ、故郷では…

アリーナさんの母
「こんにちは」

アリーナさんのお母さん、最初は笑顔を見せていましたが…

アリーナさんの母
「ウクライナでは、常に爆発の危険にさらされていますが、みんな心を強く持って諦めていません」

アリーナさん
「ママ、どうして泣いているの?」

アリーナさんの母
「もう泣かないよ、希望について話すわ。世界でこのような大惨事が繰り返されないことを願っています」

ーーウクライナは今、どんな状況?

アリーナさんの母
「毎日、家の上に何か飛んでいます。次の朝に起きられるか、アリーナにまた会えるか、分からないまま暮らしています」

核兵器の使用もちらつかせるロシア。攻撃は止まる気配はありません。
どうしたらウクライナに平和を取り戻せるのか。アリーナさんは「戦いに勝つことしかない」と訴えます。

アリーナさん
「ロシアは我々の領土を奪おうとしています。私達は自分たちの領土のために、自由のために戦っています。他にできることはなく戦うしかありません。他に方法がありません」

平和の象徴と言われるこの場所で、平和に向けた動きはどこまで進むのでしょうか?

ーー各国の首脳に求めることは?

アリーナさん
「ロシアによるウクライナ侵攻が、なるべく早く終わるように協力していただきたいです。今後どんな国でも核兵器が使われないこと、核兵器を使うという脅迫を受けないことを願っています」