中国が太平洋の島しょ国への影響力を強める中、対中批判の急先鋒だったミクロネシア連邦の前大統領がJNNのインタビューに応じ、日本やアメリカとの関係の重要性を強調しました。

記者
「こちら、首都パリキールにあるミクロネシア連邦の大統領府です。これから岸田総理の親書が新大統領に渡されます」

ミクロネシア連邦では今月11日、ウェズリー・シミナ氏(61)が新たな大統領に選出されました。

ミクロネシア連邦 ウェズリー・シミナ新大統領
「皆様の来訪は、我々両国の“絆”をより強固にするためのコミットメントです」

大統領就任前、連邦議会議長だったシミナ氏は「一つの中国」政策の堅持を続ける決議に携わっていて、今後の中国への外交姿勢が注目されます。

一方、中国批判の急先鋒で台湾との外交関係を模索していたパニュエロ前大統領はJNNとの単独インタビューで、中国への危機感をうかがわせました。

ミクロネシア連邦 パニュエロ前大統領
「台湾の外交部長と会談し、我が国は全ての国の友人だと告げました。我々は30年ほど前に『一つの中国』政策の堅持を決定しましたが、国家間協力の状況は進化していて、主権国家はどの国と協力するか決めることができます」

パニュエロ前大統領は、退任決定直後に次期政権や州知事らに宛てた書簡で「ミクロネシアの政府高官らは中国に賄賂で買収され、中国の利益のために行動している」と指摘しましたが、これについては…

ミクロネシア連邦 パニュエロ前大統領
「ある意味真実です。時にお金により国の利益に反するような行動に導かれてしまうのです」

太平洋の島しょ国をめぐっては、G7広島サミット後に帰国することになったアメリカのバイデン大統領の代わりにブリンケン国務長官がパプアニューギニアを訪れる予定で、この地域への関与を深める方針に変化はないと強調した形です。