今シーズン最大の蜃気楼(Bランク)出現…

次の画像は4月28日、対岸にある「海の駅蜃気楼」から3000ミリの超望遠レンズで撮影したものです。作品からの距離は約8000メートルです。

魚津埋没林博物館によりますと、春の蜃気楼は像が上方に現れるため、「m」の像が上に伸びたり、伸びた上に反転した像が見えたりするということです。

この日、蜃気楼は午前9時40分ごろに出現、午後2時ごろには今シーズン最大の5段階中の上から2番目「Bランク」でした。

次の画像は最も伸びきった蜃気楼。実際の「ⅿ」の上に反転した「ⅿ」、その上に再び反転した「ⅿ」の像が見えます。

自然が織りなす幻想的なアート、見えたのは、ほんの10数分間です。

提供:魚津埋没林博物館
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《Infinity~mirage》を制作した「山下麻衣+小林直人」は、2001年からユニットで活動しています。

東京藝術大学を修了後、ドイツに渡り、映像で表現する「ビデオ・インスタレーション」という手法で、表現活動をスタートさせました。

現在は千葉市に拠点を置き、あいちトリエンナーレ2010や、横浜トリエンナーレ2011、瀬戸内国際芸術祭2019などはじめ、国内外で作品を発表しています。

「山下麻衣+小林直人」は《infinity~mirage》について、次のようにコメントしています。

山下麻衣+小林直人:
気まぐれな蜃気楼によって大きな∞が出現するのを期待しているのだが、実際はどうなるかさっぱり分からない。ちなみに映像に映っている水面も、本当は地球の丸みのせいで隠れて見えないはずの場所が、大気によって光が屈折して見えている「見かけの水面」らしい。不確かな時代と耳にするが、私たちが見ているこの世界自体、もともと蜃気楼のように不確かで「見かけ」のものなのかもしれない、とか思う。(「infinity~mirage」テキストより抜粋)

《Infinity~mirage》実行委員会は、作品を来年3月まで展示し、「海の駅蜃気楼」からの映像をライブ配信しています。

また、7月ごろには海沿いのサイクリングコースを利用した黒部と魚津をめぐるスタンプラリーなどを予定、地域振興にも生かす方針です。

◆蜃気楼が描く「∞」無限大マークの意味は?現代アートユニット「山下麻衣+小林直人」