長野市の動物園で飼育されていたチンパンジー2頭が、繁殖のため福岡市の動物園に引っ越すことになり16日、運び出されました。

長野市の茶臼山動物園で生まれ育ったオスのアツシは、ちょっと怖がりな一面もある25歳。

マイペースでものおじしないメスのカコは、14年前に多摩動物公園からやってきた27歳です。

血縁関係があるため繁殖はせず、同居人として仲良くやってきた2頭ですが、福岡に引っ越し、新しい群れと合流することになりました。

■来園者
「さみしくなると思います。福岡でも繁殖目的かな 頑張ってほしい」             

■子どもたち
「悲しいねそれは」「また帰ってくるまで待つかな」「福岡の方でも幸せになって子ども産んでくれるといいなと思いますね」

茶臼山動物園では2頭のほかに、オス1頭、メス2頭の合わせて3頭を飼育しています。

日本で飼育されているチンパンジーは年々減少していて、特にオスは貴重な存在です。

今回行く福岡の動物園にはメスしかおらず、繁殖のため、オスのアツシに白羽の矢が立ちました。

ではなぜ、メスのカコも一緒に?

園によりますと、群れで生活するチンパンジーが単体で移動することは非常にストレスがかかり、繁殖力の低下につながるため、長年連れ添ったカコと共に引っ越すことになったということです。

16日午前9時過ぎ、トラックに乗せられるアツシとカコ。

夜遅くには福岡に到着し、17日に福岡市動物園に入ります。

■山口敦飼育員
「さみしいとかではなくこれから2頭が日本のチンパンジーのためにもいっぱい子どもを作ってくれたら」

福岡で待つのは、繁殖期の3頭のメスたち。

アツシとカコとともに、新しい群れを作り繁殖を目指します。