本来捨てられるはずのものに新たな価値を与えて再生させる「アップサイクル」。世界が2030年までに達成すべき持続可能な開発目標SDGs。その中から目標12「つくる責任つかう責任」に焦点を当てて、大変身しちゃったものを紹介していきます。


時計と向き合って50年以上。時計職人の舘山雅夫さん(76)です。
舘山さんが切り盛りする青森市浪岡にある舘山時計店。店内には、見たこともないような個性的な時計の数々が並んでいます。



※舘山雅夫さん「細かいのをいじるのが好き。綺麗に修理して分解掃除してコチコチ正確に動くのが一番」

7年ほど前、舘山さんが時計職人として新たな試みを始めるきっかけとなった出来事がありました。
※舘山雅夫さん「お客さんから、下駄、ほとんど使っていない下駄を何とかできないかと相談されたの。で、この下駄の幅が時計がピタッとはまるのさ。だから真ん中に穴あけて時計を作ったら、お客さんがたいそう喜んだ」



以来舘山さんは、あらゆるものを時計に作り変えてきました。廃品から思い出の品に至るまでその数は50点ほどにものぼります。


中でも自信作はこのフライパンの時計。スプーンの振り子もついています。


※舘山雅夫さん「これは2年半ぐらい前だな。ちょうどお袋がなくなった後片付けをしていたら新品のフライパンが出てきて。ああ、これは面白いなと思って」「お客さん、笑って見ていくよ」
舘山さんの手によって作り変えられた時計は、かつての時間まで取り戻してくれるような思い出が詰まった一品に生まれ変わりました。見る人を笑顔にしてくれる、世界に一つだけの時計。舘山さんが作る時計は、今と昔を繋いでくれるようです。
