5月14日夕方から伊豆諸島の八丈島近海で地震が頻発し、静岡県内でも5回、体に揺れを感じる地震がありました。県民の中には34年前に伊豆の伊東沖で発生した群発地震と噴火を思い出した人もいたのではないでしょうか?今回の地震との関係はあるのでしょうか。
14日午後4時以降、伊豆諸島の八丈島近海を震源とする地震が相次いで発生。15日未明までに震度1以上の揺れを10回観測し、震源は同じ場所に集中しています。県内ではあわせて5回体に感じる揺れがあり、伊豆半島各地で震度1から2を観測しました。
<伊東市民>
「海底噴火が来たじゃん、その時近くにいたの」
Q.前兆はありましたか?
「揺れがすごかった。突き上げるように、ずんずんと」
<伊東市民>
「今回は三宅島とか向こうの方だけど、ちょっと心配だよね」
伊東市民の脳裏をよぎったのは、34年前の群発地震と噴火の記憶です。
<伊藤充宏記者>
「突然地鳴りが始まりました。この前と同じような火山性の微動と思われます。地鳴りがすぐ足元まで響いてきています」
1989年7月、伊東沖で起きた海底噴火。このときも噴火の予兆として群発地震が発生していたのです。幸い犠牲者はいませんでしたが、伊東市役所を含めた街なかでも噴火は起こる可能性があるといわれています。
14日から続く八丈島近海での群発地震。伊豆半島の噴火と関係はあるのでしょうか?
<静岡県立大学 楠城一嘉特任教授>
「現在は火山との関係性は特にありません。伊東沖の火山噴火の時は、群発地震と火山噴火はセットのものと考えられていて、最終的に噴火に至ったと。一方、今回は活火山の近くで活発化した地震だが群発地震だけが活発」
今回はプレートの内部で岩盤にたまったひずみが引き起こした地震で、距離的にもメカニズム的にも伊豆半島の地震や火山とは関係がないといいます。むしろ、今後起きるかもしれない大規模地震への備えを呼びかけます。
<静岡県立大学 楠城一嘉特任教授>
「今回の地震は深さが約10kmのところで起きている地震になります。もし今後大きな地震が起きると、津波を引き起こす可能性があるので注意していほしい」
ここ数週間、全国各地で頻発する大きな揺れ。専門家は「正しく恐れる」ことが何より大切と話します。
<静岡県立大学 楠城一嘉特任教授>
「全国各地で最近大きめの地震が起きているのは事実ですが、南海トラフ地震の引き金になるようなことは考えづらい。独立で起きている地震がたまたま近い期間に起こった現象。ぜひこのタイミングに防災力・防災意識を高めることを進めていただければ」
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