G7関係閣僚会合の一つ、保健大臣会合が13日から2日間、長崎市で開かれました。会合の成果を中心に振り返ります。

G7各国とEUに加え、アジアの3つの招待国も参加して行われた”長崎保健大臣会合”。新型コロナが収束しつつある中での開催となりました。
主な議題は3つ
●次なる健康危機への対応
●ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けて
●健康課題の解決に向けた研究開発の促進
成果を「保健大臣宣言」として発信します。

早田アナウンサー:
「こちらの展示会場には、企業や団体、大学などのブースが並んでいまして、それぞれの取り組みや研究などを各大臣などに紹介しています」
長崎大学のブースでは、熱帯地域の感染症研究で熱帯医学研究所が世界に貢献してきた実績などを留学生が説明しました。

長崎大学 熱帯医学研究所 金子 修所長:
「パンデミックみたいなウイルスも大事ですが、それだけではなく、従来から熱帯地方の人々を苦しめている熱帯病について、忘れずに宣言に盛り込んで頂ければ」

政府系の国際会議としては長崎初開催ということで期待されたのが”被爆地・長崎”からの「平和の発信」です。14日、大臣らの平和公園訪問が突如決定し、献花と黙とうが行われました。
また、長崎県と長崎市が要望を続けてきた原爆資料館訪問は、核保有国のフランスやインドを始め、把握できている限り4か国が非公式に訪問。

長崎原爆資料館 井上 琢治館長:
「熱心に見て頂き、私の説明に対しても真剣に耳を傾けて頂きました。『長崎を最後の被爆地に』ということを強く訴えましたので、(それぞれの)国に帰って、長崎からの強いメッセージを発信して頂けるものと期待しています」

大保記者:
「最終日の今日は、成果である保健大臣宣言に何が盛り込まれるのか注目されます」

14日午前採択された「G7長崎保健大臣宣言」では、コロナへの対応によって熱帯地域の感染症など、数多くの保健課題への対応が後退したとして、”2025年末までにパンデミック前のレベルよりも良い状態にすることを目指す”と掲げました。

金子 修所長:
「我々、熱帯医学研究所が対象としている熱帯病とかを盛り込んで頂いており、我々ができることは貢献していきたいと考えております」
また、2030年までに誰もが適切な保健医療サービスを受けられるようにするために、G7各国が取り組むべき具体的な8つの領域の行動をまとめた”グローバルプラン”も合意。低中所得国の”保健医療サービス構築の支援”などが盛り込まれました。

加藤 勝信 厚生労働大臣:
「宣言に盛り込みました施策の着実な実施に向けて、我が国はもとより、各国と協調して取り組んでいきたいと考えております」

今回の会合が、世界の保健医療政策に、どのように反映されるか注目されます。