任期満了に伴う青森県知事選挙は5月18日に告示されます。これを前に立候補予定者による公開討論会が三沢市で開かれ、それぞれがテーマにごとに政策や見解を述べました。

知事選の公開討論会は14日、三沢市公会堂で開かれ、前の青森市長・小野寺晃彦氏、前のむつ市長・宮下宗一郎氏、元むつ市議会議員・横垣成年氏の3人が出席し、元会社員の楠田謙信氏は欠席しました。

討論会では医療福祉を始め6つのテーマについて論戦を交わし、このうち青森県政の最重要課題「人口減少」では、各候補予定者の政策の違いが際立ちました。

※小野寺晃彦氏
「すくすく育つ県と題して、子供・子育て経費を全県で順次無償化していきます。さらには、しっかり稼げる県と題し、年間400社の創業を掲げています。6つの圏域ごとの特徴をいかして、起業・創業を実現して雇用を創出してまいります」

※宮下宗一郎氏
「合計特殊出生率2を目指す青森モデル、総合的な政策を立案していきたい。3つあります。1つは、子育て経費の段階的な市町村と連携した無償化です。もう1つは若い世代の働き方改革と子供の預け先の確保です。3つ目は若い世代の所得の向上です」

※横垣成年氏
「全国一律最低賃金時給1500円にすることが、格差解消と県外転出の傾向に歯止めをかけることになると思います。賃金が上がると人件費が増えて、どうしても会社の負担が増えるということになりますから、中小企業への公的支援もセットで行われなければなりません」

また、コロナ禍からの回復が急務となっている「雇用・経済・観光分野」では、それぞれが追加対策の必要性を示しました。

※小野寺晃氏
「東北ナンバー1の農業産出額3500億円台を目指して、効率化・省力化を追求していく必要があります。交通網を増やしていく。そして、年間3500万人以上のお客様を受け入れていく」

※宮下宗一郎氏
「インバウンドを10年間で倍増させる。ソフト面での多言語対応などを実施することによって実現していきたい。知事を対策本部長とする物価高騰等緊急対策本部を県庁内に立ち上げて、必要なセーフティーネットの支援を順次行っていきます」

※横垣成年氏
「大商社・大企業との取り引きに公正なルールを作る必要があり、下請けいじめを是正します。当面、コロナ緊急融資を別枠債務にし、新規融資を受けられる措置をとります。県民割など優遇措置をとるとともに、時間的・金銭的余裕をとれる施策を進めます」

一方、「エネルギー対策」では小野寺氏と宮下氏が原子力関連施設の安全対策の徹底を訴えたのに対して、横垣氏は脱原発を打ち出し、主張の違いが明確化しました。