芸能界の第一線にいた桜田淳子さんが突然、その日初めて出会った人と結婚して驚かされてから30年以上…。旧統一教会による“合同結婚式”は今も変わらず続けられている。
旧統一教会では今月大きな動きがあった。5月2日から5日にかけては“ピースサミット”と銘打った世界の元、もしくは現国家元首をはじめとしたVIPを招いてのイベント。開けてみれば現代表・韓鶴子総裁の“お誕生会”だったが…。そして、5月7日、合同結婚式と教団のシンボルとなる宮殿“天苑宮”の完成式が執り行われた。番組では2つのイベントの内部映像を独自に入手。さらにかつて合同結婚式に参加した日本人妻から直接話を聞き、合同結婚式の実態に迫った。

「献金や合同結婚式の参加費などは日本人信者の方が多く支払っています」

ソウルから車で2時間。“清平(チョンピョン)”。旧統一教会が次々と施設を建て“聖地化”している土地だ。この日無数の大型バスや自動車が列をなしてやってきた。ここで教団にとって最重要イベントとされる合同結婚式が催され、世界50か国以上から集まった約2600人がここで式を挙げ、1300組ほどの夫婦が生まれた。日本人も約550人参加していた。
式典のクライマックスでは、派手な民族衣装をまとった韓鶴子総裁がマイクを握って“♪愛しています~祝福家庭~”などと熱唱していた。
旧統一教会問題を長年取材している鈴木エイト氏は言う。

ジャーナリスト 鈴木エイト氏
「2600人は祝福を受けた人数だけ。その他の信者を入れると2万人以上。会場のキャパが2万5000人で満席だった。教団関係者含めると3万人は集まっていた。前回は去年の春。コロナもあって規模が小さかったが、今回はコロナ前に戻ったか、それ以上にかなり大規模でお金を使って豪華にやっていた。(――安倍元総理銃撃事件への配慮は?)全くないですね。逆に安倍さんを自分たちの箔付けに再利用しているような面もありました」

合同結婚式に続いて行われたのは、同じ清平に教団の新たなシンボルとして建設を進めていた宮殿“天苑宮”の完成式だった。韓鶴子総裁もこの日初めて足を踏み入れたという広大な正殿は総大理石。豪華絢爛な装飾にも増して目立つのは壁に描かれた絵だ。様々なシーンの文鮮明教祖と韓鶴子総裁の姿が描かれている。総工費は日本円で500億円とも言われるが、その多くは日本人信者からの献金に違いない。他にもこの宮殿の完成に向け資金集めのさまざまな儀式が行われたという。解怨式、祝福式・・・名目は色々だがそこにも多くの日本人信者が寄付金ありきで参加していた。

イベントは資金の掻き集め」と言い切るのは韓国で宗教問題を扱うオ・ミョンオク記者だ。

韓国の専門誌『宗教と真理』 オ・ミョンオク代表
「公表されていませんが献金や合同結婚式の参加費などは日本人信者の方が多く支払っています。韓国(教団)本部は安倍氏銃撃事件と我々は関係ないとして謝罪も遺憾表明もありません。むしろ事件の後、秋には紅葉祭りなどをしていました」