山口大学で観光経済学を専門に研究している 加藤真也 准教授です。G7広島サミット開催による経済効果が直接的には720億円から960億円という予測には、ちゃんと理由がありました。

山口大学 加藤真也 准教授
「広島県と三重県の経済規模の差や、もしくは観光客数の比率からすると、今回、G7広島サミットでの経済効果は、2016年の伊勢志摩サミットの経済波及効果が480億円でしたので、だいたい、それの1.5倍から2倍程度の経済波及効果があるのではないかというふうに予想されます」
経済効果 伊勢志摩サミット時の1.5~2倍

その内訳は、サミットの運営そのものにかかるホテルを借りる費用や警備費など、また、海外から来る政府関係者やメディアなどが宿泊や飲食にかける費用だといいます。
さらにサミット後の経済効果 2500億円

さらに、開催後に期待できる経済効果2500億円のうち、観光客の増加分については…
加藤真也 准教授
「観光客に関しては前回、年間の観光客数が7%ほど増えたということがありますので、今回のG7広島サミット後に広島県に対する観光客数も7%ほど増えることが期待できるかと思います」

中でも外国人観光客は激増すると予測します。
加藤真也 准教授
「サミット開催があった2016年において伊勢神宮への外国人観光客の参拝者がだいたい60%ほど平年よりも増えたそうです。伊勢神宮と同じ程度にやはり有名である宮島や平和公園に対する外国人の参拝者数もだいたい60%程度増えるのではないかというふうに考えられます」
期待高まる観光スポット 宮島

ことし3月の来島者数が過去最多を記録した宮島(廿日市市)。日帰りの観光客が多く、滞在時間が短いことが課題になっていましたが、海外からの観光客は宿泊する割合が高いそうです。
宮島観光協会 上野隆一郎 事務局長
「高級な旅館からバックパッカー的なところと非常に幅広い、いい感じでお泊まりになられますね。海外の方は、日本人と比べまして滞在時間が長くて、歴史と文化・自然その全てを楽しまれて帰られているみたいですね」
実際に海外から来た人たちに聞いてみると…

海外からの観光客たち
「ぼくはアウトドア派なんだ。ハイキングが大好きなんだ。最高だよね。ここの雰囲気が大好きで、楽しんでいるよ」

「1日中、過ごして、ホテルに泊まったの。景色が見たくて弥山に登ったわ」

サミット期間中の3日間は、宮島への来島制限がかかるものの、観光協会ではその後の増加分でカバーできると見込んでいます。

宮島観光協会 上野隆一郎 事務局長
「各国の首脳さんがお越しになられた映像とかが国内外へ配信されて、また、それがいいPRになって、後にはたくさんお客さんが増えるんじゃなかろうかというふうに期待しております」