約3割の車しか止まらない…。横断歩道での一時停止率を改善しようと、警察の依頼を受けて大分県の高校生が動画出演に協力。書道部らによるパフォーマンスが収録されています。作品に込めた高校生の思いを取材しました。
なめらかな筆遣いと真剣なまなざしで筆を執るのは中津北高校の書道部。23人が所属する書道部は去年1年間で日本一に3回輝くなどの実力を誇ります。
(書道部・末永愛佳部長)「大体1週間に5日ぐらいみんなで放課後に練習してパフォーマンスなどは2週間ぐらいみんなで力を合わせて練習する」
書いた文字には人間性が表れることから書道部では部員同士のコミュニケーションを大事にしています。休憩時間は作品作りの時とは一転、にぎやかな雰囲気に包まれます。

青春真っただの中、今年に入ってある活動に取り組みました。中津警察署からの依頼を受け、交通安全を呼びかける動画に出演。吹奏楽部と協力してパフォーマンスを披露しました。
(中津警察署交通課交通安全教育係・野田憲一郎係長)「運転免許を持っている大人には啓発していたが、これからは新時代を担う未来の大人たちの力を借りて横断歩道のマナーアップをしていこうと高校生の力を借りた」
県内では今年、交通事故で重傷を負った人が94人で、去年の同じ時期から28人増えています。また、JAF=日本自動車連盟によりますと、信号のない横断歩道での車の停止率は去年、大分は「32.9%」で全国平均(39.8%)を7ポイント近く下回りました。
動画は4月14日に公開され、作品には「横断歩道での一時停止率をアップさせたい」という思いが込められています。書道部は今までにない今回の挑戦を通じて交通安全への意識が変わったと言います。
(書道部・末永愛佳部長)「色んな人に見てもらえてよりその事実(停止率が約3割)を知ってもらえるのは大きな達成感」

また書道部と一緒に依頼を受けた吹奏楽部も多くの人に交通安全を呼びかけたいと話します。
(吹奏楽部・廣島おん部長)「日ごろ経験できないことを書道部と一緒にできてよかった。将来的には自動車を運転する立場になるので私たち高校生はもちろん大人にも交通安全に気をつけてほしいという思いを伝えたい」
この春に入部した書道部の1年生、尊敬する先輩達のようになれるよう書の練習に励んでいます。
(新入部員)「とても憧れ」「すごくかっこいいと思って自分も(パフォーマンス)をしてみたいと思いこの学校に入学した」「迫力のあるパフォーマンスをしたい」
高校生の視点で考えられた交通安全への思い。若い世代から高齢者まで幅広い年代層に訴えかけます。
