施設の規模や候補地などを抜本的に見直している富山県の武道館の移転。9日、関係団体は新田八朗知事に対して早期の竣工と500台が駐車できるよう建設地の見直しなどをまとめた要望書を手渡しました。

築50年以上が経過し老朽化が進む県武道館の移転・新築は、新田知事に近い中川県議ら新令和会の肝いりの政策でした。

施設は延べ床面積1万4800平方メートルで地上4階建てで新田知事は、コンサートなども開催できる多目的施設として富山駅東側に移転し2027年度の開館に向けて整備する方針でした。

ところが、資材の高騰で建設費は当初の87億円から110億円に上振れ。

さらに、予定地周辺で、富山市が中規模ホールを開館するほか、総合体育館も大規模改修に乗り出すとして最大会派の自民党議員会が反発。

自民党議員会・奥野詠子副議長(元政調会長):「同規模の施設が近くに建築予定ということになるわけで、施設同士の役割分担をしっかり市町村と一緒に詰めていくべき」

県は今年度当初予算で建設費の計上を見送りました。

新田八朗知事:「どのような対応が適切か、様々な観点から検討する必要があると考え」

県は、先月あり方検討会を設置、本格的な見直しへと動き出しました。その初会合では規模や機能を縮小すべきとの声や駐車場も少ないことから建設地の変更も検討すべきとの声が上がりました。

富山県スポーツ協会副会長:喜多進さん「武道に特化した施設で最初から考えるべきだったのではないか」

富山市・今本雅祥副市長「財源の問題もあるので、規模自体を見直す必要があるのかなと」

県は夏ごろまでに基本計画の改定案をとりまとめる方針ですがそれを前に、中川県議らが改めて早期の竣工や建設地の見直しなどを要望し先手を打った形です。

富山県武道協議会会長 中川忠昭県議:「令和9年度中に開館したいという思い。教育施設としての武道館を建設するという思いは変わらない。県側の考えも変わらないと私は信じていますので手ごたえは十分にあったなと思っています」