8日の大雨の影響で、富山県の山あいにある農業用ため池が決壊しました。田植えの時期を迎え、農家にとって大打撃です。
川縁大雅記者:「氷見市の山間にある農業用のため池が決壊し、水があふれ続けています」

決壊したのは、富山県氷見市坪池にある農業用のため池、「下長池」です。8日午前8時50分ごろ、ため池の堤防が幅10メートル、高さ6メートルにわたって崩れているのを近くの住民が確認しました。近くの田んぼでは、あちこちに決壊の影響が…。

記者:「決壊したため池から数百メートル下に降りた場所にあるこちらの田んぼには泥水が流れ込んでいます」
田んぼは一面が茶色くにごり、ペットボトルのゴミも…。さらに、ほかの田んぼでは…。





記者:「こちらの田んぼも土砂が流れ込み、見るも無残な姿になっています」
流れ着いて散乱する岩が当時の濁流の激しさを物語ります。
坪池地区 水上尚司区長:「この水頼りにしている人何人もおるから。厳しいですね。農家にとっては」


坪池地区の水上区長によりますと、このため池の水は、およそ2ヘクタールの水田にひかれていて、山間部のこの地区ではこれから田植えを迎えますが今後、コメがつくれるかどうか頭を悩ませます。
坪池地区 水上尚司区長:「市役所には早急に対策をお願いはしてみたけど、今後どういう風になるかは検討中かなと…」

氷見市によりますと、ため池の堤防を修復するには、一度、水を全て抜く必要があり、国や県の支援を得られないと復旧は難しいとみています。

9日、現地を確認した氷見市の担当者は、崩壊した場所にブルーシートを覆う処置をとったということです。今後、仮設パイプなどを設置し、水田に水が供給されるよう対応を検討していますが、復旧のめどはたっていません。