高い建物を大きく揺らす「長周期地震動」どう備える?
南波キャスター:
今回の地震のもう一つのポイントは、2月1日から緊急地震速報の対象に加わりました「長周期地震動」を、気象庁が初めて発表したことです。

「長周期地震動」は“周期の長い大きな揺れ”で、高い建物などが大きく揺れる傾向にあります。マグニチュードが大きい地震ほど発生しやすく、数百キロ離れた場所でも大きく揺れ、高層階ほど大きく揺れやすいということです。

「長周期地震動」には震度ではなく、「階級」というものがあります。揺れの大きさを示すものです。
▼階級1:室内にいたほとんどの人が揺れを感じる
▼階級2:物につかまらないと歩行が困難 棚の食器や本が落ちることも
▼階級3:立つことが困難 固定していない家具が動き転倒も
▼階級4:はわないと動けない 固定していない家具の大半が移動し転倒も
階級3と階級4は緊急地震速報の対象になっています。今回の地震で珠洲市は階級3が観測されました。また対象にはなっていないものの、170キロほど離れた長野市では階級1を観測したそうです。

身を守るためにはどうしたらよいのでしょうか?政府広報オンラインのホームページによりますと
▼マンションの室内では机の下などに避難 体勢を低くして身の安全を確保
▼商業ビル・大規模店舗などでは照明などの下から退避し安全を確保 あわてて出口や階段に殺到しない
▼エレベーターでは最寄りの階で停止をさせ降りる 移動でエレベーターは使わない。
仮に閉じ込められても、落ち着いて行動をしていくことが大事です。今回の地震では350キロほど離れた大阪の「あべのハルカス」でもエレベーターが止まったそうです。
ホランキャスター:
「長周期地震動」は遠い方が周期の大きさを感じやすいということですか?
南波キャスター:
震源の近くでも感じます。今回は珠洲市でも観測されています。
若新 慶応大学特任准教授:
震度やマグニチュードという数字では表せない揺れの“タイプ”があるということですね。
そこまでの震度ではなくても、建物が壊れやすい、土砂崩れが起きやすい、火災が起きやすいなどいろいろなタイプの地震があると思います。揺れが止まった、津波が来ないから安心ではなくて、その後にいろいろな心配をする必要があると言うことですよね。
日比麻音子キャスター:
重い物を上に置かない、転倒防止の対策をするなど、今できることを後回しにしてはいけないと改めて実感しました。
若新 慶応大学特任准教授:
地震は何日後に来るかわからない。常に忘れないでいることが大事ですね。