「精神的幸福度」ワースト2位の理由とは

送迎バスへの置き去りや不適切な保育など、近年、子どもたちをめぐる事件が相次いでいます。

そうした中、2020年、ユニセフは「子どもの幸福度」に関する報告書を公表。

そこで日本は、「身体的健康」の分野では、調査が行われた世界38か国中で1位。

ところが、自殺率の高さや生活満足度の低さからくる「精神的な幸福度」ではワースト2位という結果が出たのです。

ユニセフ・アナ・グロマダ氏「『精神的な幸福』も健康の一部であり同じぐらい重要だと考えてほしい」

不登校、いじめ、虐待・・・。子どもたちが直面する生きづらさ

実際、子どもたちが置かれる状況は年々悪化しています。不登校、いじめ、虐待。いずれも過去最多を更新。

また自ら命を絶つ子どもも2022年は514人に上り、過去最多に・・・。

さらに、厚労省によれば、子どものおよそ7人に1人が貧困状態に。栄養バランスのとれた食事が、一日の中で給食しかない子どももいるなど、子どもにも格差が広がっています。

こうした苦境に子どもたちが立たされるなか、少子化がさらに進む可能性を専門家は指摘します。

山田昌弘・中央大学教授「子どもに人並み以上の生活をさせられないと思ったら、経済的に弱い人は、子どもを持てなかったり。こどもまんなか社会とか言われてますけど、格差を埋めなければ、少子化は抜本的に解決できない」

5月7日、最終日を迎えた今年のゴールデンウィーク。大勢の子どもたちで賑わう風景も、いずれ様変わりしてしまうのでしょうか。

(サンデーモーニング2023年5月7日放送より)