今年も、多くの子どもたちでにぎわったゴールデンウィーク。その見慣れた風景に変化が訪れるかもしれません。

こどもの日を前に発表された人口推計によれば、15歳未満の子どもの数は42年連続で減少、過去最少となったのです。

政府の「異次元の少子化対策」 目指すのは“こどもまんなか社会”

こうした状況に危機感をつのらせた政府は…

岸田総理こどもまんなか社会の実現に向け、何よりも大切なのは、こどもたちの意見を聞き、そして実際に政策に反映させる」

2023年4月、子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」を発足。ゴールデンウィーク直前に「異次元の少子化対策」の一環として打ち出されたのが…

子ども連れなどが行列に並ばず、優先的に入場できる「こどもファスト・トラック」。国立の博物館などでの設置が進んでいます。

2歳の娘の母親「並んでしまうとぐずってしまったりとかがあるので、早く入れて見せることができるのはありがたい」

「子どもの声」をめぐり巻き起こる議論 法整備の動きも

しかし、こうした施策とは裏腹に、子どもが本当に大切にされているのか疑問を覚えるようなケースも出てきています。

4月、撤去作業が始まった公園。きっかけは、一部住民からの「子どもの声がうるさい」という“苦情”だったといいます。

また、ある東京都内の保育園では、住民に配慮し、高さ3メートルにも達する「防音壁」を設置しました。

バンビ保育園・鈴木圭子代表「ご近所の方たちと上手に付き合っていくということも大事かなと」

こうした状況に対し、政府は「子どもの声は騒音ではない」と法律で定めることさえ、いまや検討しています。

小泉進次郎議員「子どもの声は騒音ではない。社会の意識とか構造を変えていく」

家族社会学が専門の山田教授は・・・

山田昌弘・中央大学教授「自分の子どもだけは、よりよく育てたいという意識が強すぎるので社会全体で子どもを育てるという意識が薄い。さらに、経済があまり成長せずに自分の生活が苦しくなると分かっている時に、他の子どもの心配なんかしてられないと不寛容になる」

「日本の子どもの幸福度」その衝撃の内容とは

日本社会における子どもの状況を象徴的に示したデータがあります。ユニセフが公表した「子どもの幸福度」の報告書。

そこで、日本は「精神的な幸福度」で、世界各国の中でワースト2位。なぜなんでしょうか?