5日午後2時42分ごろ、石川県で最大震度6強を観測する強い地震がありました。今回の地震の特徴について世界各地の地震を研究している筑波大学の八木勇治教授に話を聞きました。
地下から上がってきた物質で地震活動が活性化されたという研究も
筑波大学 八木勇治教授:
この地域だと、2020年の11月ぐらいからですね地震活動が活発な時期が続いていました。
今回の地震もそれと同系統の地震だというふうに私は今のところ見てますけども、よくデータが出てこないとまだ分からないところがありますが、この地域は最近、地震が続いていました。
「この地域は、地下から何か物質が上がってきた」と言っている研究者もいます。この「流体」、水みたいなものかどうかわからないんですけども、そういうものによって地震活動が活性化されてるという研究もあります。
水みたいなものが地下からあがってくると地震活動が群発的に起こるというか、収まらない活動が起こることがよく知られています。
プレート境界とかそういうのは関係なく、地下で、色々なことが起こって、それによって長い間、地震活動が活性化している地域であると考えられていますね。
長い間、揺れが収まらない傾向にある「群発地震」の可能性も
下から物が上がってくるわけですから。水とかは軽いものですから、上に上がりやすいですよね。地下から水が供給されることによって地震活動が活性化することもあって、「群発地震」というんですけども、活動が活性化したり、収まったりすることを長い間、繰り返して、地震活動が収まらない傾向にあります。この地域ですと、2020年あたりから、地震活動が活性化していたと記憶しています。
この「群発地震」というのは長引く、揺れが続いて、時々、大きな地震も起こるということで、地域の方、不安があると思いますけども、必ずしもこれが大地震の前兆とか、予兆であるというわけではないと一般的に考えられています。
「長周期地震動」による「共振」に注意
「長周期地震動」というのは周期が比較的長い、ゆったりと揺れる波なわけで、どうしても遠くまで伝播しやすい波なんですね。厄介なことは長周期地震動の周期と、ビルの揺れやすい周期が一致した場合、予想外に大きな揺れをビルにもたらしますので、「共振」という現象ですね。そういうことは十分気をつける必要があると思います。
3.11の時、記憶にある方がいらっしゃるかもしれませんけども、ビルがすごいグネグネ揺れるという映像があったと思いますけど、「共振」みたいなことを、「長周期地震動」は起こしやすい。遠くのところまで、なかなか揺れが収まらないというところがありますので、そこは気をつける必要があると思います。