日本相撲協会は4日、モンゴル出身の元関脇・逸ノ城(30・西前頭13枚目)の引退を発表。同日行われた引退会見で逸ノ城は、引退の理由として腰の状態を挙げ「まだやりたかったんですが」と心境を語った。
逸ノ城は14年の初場所に幕下15枚目格付け出しでデビュー。同年5月場所で新十両優勝を果たすと、翌7月場所に13勝を挙げわずか2場所で入幕。新入幕の9月場所ではいきなり13勝と快進撃をみせ殊勲賞と敢闘賞を獲得し、翌11月場所で関脇に昇進した。デビューから5場所での新三役入りは歴代1位の記録。
会見で逸ノ城は引退の理由として「やっぱり腰のことで、手術とかいろいろしましたがあまりよくないなと思ったんです。2日前に親方と話をして決めました」と明かした。同席した湊親方も「大阪場所が終わってこっちに帰ってきまして、腰の状況が悪化しまして。今まで稽古もできずに治療をやってきましたが、状態が良くならず本人から引退したいという申し出がありましたので」と苦しんできた経緯を語った。
それでも昨年の7月場所では幕内(前頭2枚目)で初の優勝を飾り復調の兆しが見られたが、2場所連続の負け越し、新型コロナウィルスガイドライン違反による出場停止を経て十両に陥落。先場所は元大関・朝乃山との優勝争いを制し十両優勝を果たしたが、再び幕内の土俵には上がらず引退を決断した。
湊親方は「治療して“もう1回頑張らないか”と一度は言いましたが、本人が固く引退したいということでしたので、今回引退することになりました」と明かした。逸ノ城も「まだやりたかったんですが、体の方がいうことを聞かないので、皆さんに本当に申し訳ないです」と悔しそうな表情で気持ちを吐露した。
今後については「今のところまだ考えてなくて、しっかり自分の人生を一生懸命やっていきたいと思います」とし、「高校のときから日本に来て、応援してくださった皆さん、あと大相撲に入ってからも、応援してくださった皆さんに本当に感謝の気持ちしかないです。本当に長い間、ありがとうございます」と感謝の言葉を口にした。














