鳥取県の境港では例年1月から2月に水揚げのピークを迎えるはずのサバが、5月になって大漁となっています。
時期外れのサバの豊漁。一体、なぜなのでしょうか?


やって来たのは鳥取県米子市内のスーパー。
最近は価格高騰のニュースばかり見かけますが…

小崎純佳キャスター
「鮮魚コーナーには、豊漁が続くイワシ、旬を迎えたシロハタ、そしてサバなどが並んでいます。しかもお値段が、超お得です」

境港産のサバが3匹入って税込540円…これは安い!

お客さん
「安いと思います。助かります」

こちらのお母さんも3匹ご購入。次々と売れていきます。

岡田商店宗像店鮮魚部 松田優作さん
「3か月前くらいからイワシやサバがずっと捕れているので、いい魚が店にも並びやすいと思います。5月は一番年間通しても魚が多い時期ですが、GW明けでお客さんの買いの消費もちょっと落ちている状態なので、年間通しても今一番魚の値段が安い時期であると思います」

実はゴールデンウィーク明けの今の時期は、魚の種類が多い一方で、需要は低くなることから、販売価格が安くなる日が多いとのことです。

そして境港を訪ねると…

漁師は
「アジとイワシとサバです。豊漁だと思います」

豊漁が続いているイワシに加えて、4月から、連日、サバが水揚げされているといいます。
取材したこの日も、境港では300トンを超えるサバが水揚げされました。

境港水産振興協会によりますと、4月のサバの水揚げ量は、4062トン。
これは去年の同じ時期と比べると、なんと、およそ20倍。過去5年間の平均と比べても1.5倍だということです。

なぜ、突然サバが捕れ始めたのか、専門家はどのように分析しているのでしょうか。

鳥取県水産試験場 徳安理敬 研究員
「漁師さんも言われますが、ここ最近は予測ができません。我々もデータを見て思うのですが、やはり今までと傾向が違ってきている部分があって、一生懸命やっていますが予測できないというような感じです」

境港でのサバの水揚げのピークは例年1月から2月ですが、今年の1月から2月は、かなりの不漁でした。
そして例年、水揚げ量が激減する4月に入ってから、急に水揚げ量が増えたといいます。

鳥取県水産試験場 徳安理敬 研究員
「境港で捕れているものだと2021年級群、昨年生まれのもの。その多い年級群が主体となって来遊しているので、これだけ量が捕れていると考えています」 

ただ、なぜこの時期にずれたのかは、結局分からないとのこと。

時期外れの、安くておいしい「サバ」。
いつまで好調な水揚げが続くかはわかりませんが、値上げが相次ぐ中での家庭の食卓の救世主となるかもしれません。