国立がん研究センターは2種類の「がん免疫治療薬」を使った肺がんの臨床試験で、薬の副作用によるとみられる死者が11人確認され、試験を中止したと発表しました。

国立がん研究センターなどの研究グループは2021年4月から、全国50を超える施設で非小細胞肺がんの患者を対象に2種類のがん免疫治療薬、「オプジーボ」と「ヤーボイ」を組み合わせた治療法の臨床試験を行っていました。

国立がん研究センターはきょう、この臨床試験の中で薬の副作用によるとみられる死者が11人確認され、先月30日付けで試験を中止したと発表しました。

国立がん研究センターによりますと、死者は50代から70代の男女で、死因は「肺臓炎」や、過剰な免疫の反応による「サイトカイン放出症候群」などが多かったということです。

国立がん研究センターは死者が多く出た原因について、「現時点で原因は分かっていない」としたうえで、今回の臨床試験の中では「ヤーボイの影響が強い可能性が考えられる」との見解を示しています。