「売り手市場」新卒採用に苦しむ企業...そこに救世主が現れた!

ただ、売り手市場に転じたことで内定辞退率も上昇していて、新卒採用に苦しむ企業が少なくないといいます。

そんな中で、「最終面接で不採用となった学生を企業に紹介するサービス」が注目を集めています。開発したのはなんと岡山大学の大学院生です。

(ABABA 久保駿貴代表)
「売り手市場で内定辞退率が高くなる。思ったより人が採用できなかったり、追加であと1人、2人ほしいときには、僕らのサービス(ABABA)は相性がいい」

久保さんらが開発した「ABABA」では、最終面接で不採用となった学生が選考履歴や自己PRを登録します。採用に至らなかった企業も推薦文を書くことで、他の企業が優秀な学生を労力をかけずに把握できる、という仕組みです。

(ABABA 久保駿貴代表)
「最終面接まで頑張った学生なので、例えばこれまでは15人会わないといけなかったところが、10人会うだけで1人採用できたみたいな。学生も企業側もお互いが効率化できている点がメリットです」

学生は何を基準に企業を選ぶ?

【スタジオ解説】
インターネットを活用して「採用過程の情報も企業間で共有する」というのは画期的なサービスです。企業側にとって学生の採用が難しい今年の就活では、さらに活躍しそうですね

(米澤秀敏キャスター)
そうなんです。VTRでもあったように、今年の就職活動は「売り手市場」に転じています。まさに「学生が企業を選ぶ」といった状況なのですが。。。学生は企業を選ぶ際にどんなところを重視しているのか。

1位:給与・待遇がいい
2位:将来性がある
その他:休日・休暇が多い
    希望の勤務地で働ける

等々です。

アラフィフの私たちの頃とは、「企業選びの軸」も変わってきたなという印象があります。そんな中、地元の企業人気ランキングも発表されました。様々な企業が並んでいますが(画像参照)、1位は岡山市の「両備システムズ」です。

岡山で「両備」と言えば、バスや路面電車を思い浮かべると思いますが、実はいま岡山でも最大手の「IT企業」になっているんです。

ーDXなどIT業界にはますます注目が集まっていますからね。

なぜ両備グループがいま学生の人気を集めているのか、訪ねてきました。

岡山県 “ナンバー1”人気企業も「IT人材の確保が...」

バスや路面電車など、都市インフラを展開する「両備グループ」ですが、なんと売上の4分の1を占めるのが、この「両備システムズ」です。企業のソフトウェアの開発やシステムサービスを提供していて、約1500人の社員が働く、今や“岡山のIT大手”です。

(大学院生)
「ITという分野が伸びてきているな、と感じるので。そこが魅力かなと。その点でも、岡山に還元ができたらなと」

「労働人口減少による仕事の効率化」が叫ばれるなか、年々ITの需要性は高まっていて、近年就職先ランキングで上位に位置しています。しかし、売り手市場の今年は特に、都市圏で進む人材の囲い込みの影響を受けていると言います。

(両備システムズ経営推進本部 三宅生子さん)
「どんどん『就活の早期化』が進んでいて、東京・大阪という首都圏では特に早期化していると思う。地方は就活の流れが読み切れない。首都圏と同じように1~3か月早めに採用活動を始めた」

制限が緩和されるなかで、昨年、岡山の転出超過は中四国で広島に次ぐ3500人余り。うち20歳から24歳が2000人弱を占めていました。コロナの落ち着きとともに深刻化してきた人口流出。両備システムズでは、「足りない人材を確保しよう」と、学生や社会人を対象に体験スクールも開いています。

(講師)「岡山にいるみなさんに、どんどん『デジタル人間』になっていただきたい」

「学生が受けたい日に就活試験」3年ぶり学生優位の採用活動

3年ぶりに再燃してきた人材の獲得競争。「学生優位の状況」は企業の採用活動からも明らかと瀬良さんは指摘します。

(岡山理科大学キャリア支援部 瀬良道訓 部長)
「待遇が全然違いますね、学生に対する待遇が。学生が受けたい日に試験を受けさせてもらえるというのは、ほぼ当たり前になっている。学生がこの日だったら面接できますと言ったら、企業がその日に合わせてくれる。現状ですね、それが」

ーそれほど人手が足りていない?

「そういうことでしょうね」

【解説】(米澤秀敏キャスター)
「今年の就活は『売り手市場』ということもあり、地元の中小企業にとって人材確保が難しくなるかも知れません。就職先は、社会人の第一歩となる重要な決断ですが、就活生のみなさんにはぜひさまざまな企業に出会って頂きたいと思います」