本格的にスタートした2023年の就職活動についてです。この春は「合同説明会」が復活するなど、コロナ前の落ち着きを取り戻しつつある “シューカツ” です。その最前線を取材すると、「意外な課題」も見えてきました。

■面接に合同説明会...街に就活生の姿が戻ってきた

3月、来年卒業する学生の就職活動が解禁され、今年もリクルートスーツを着込んだ就活生を街で見かけるようになりました。

(就活生)
「これから面接です。緊張しています。自分にできることを出し切ろうかなと」
「広島の方へ最終面接に行ってきました。受かっているか落ちているかはまだ先に分かるんですけど、後悔はないです」

これまでの3年間は、就活生にとっては冬の時代でした。

(2020年6月の就活生)「採用活動を終了します、というメールがきました」

2020年以降、新型コロナの拡大で企業の業績は悪化しました。採用枠が減ったほか、企業説明会や面接は「オンライン」が主流となるなど、就活の風景は一変しました。希望先に熱意が伝わらぬまま不採用を告げられた学生もいました。

(2020年6月の就活生)「メールでポンって終了って言われて…悲しかったです」

■今年はかなりの売り手市場 3割の企業が「新卒の採用増やす」

ところが、一転、今年は。

(岡山理科大学キャリア支援部 瀬良道訓 部長)
「かなり売り手市場だ、というのは明らかに分かります。決算前の安売りのように内定を出しているような感じは受けます」

「新型コロナの制限緩和」にともなって、事業拡大を図る企業が増加。春には大規模な合同企業説明会も3年ぶりに再開されました。今年3月の調査では、約30%の企業が「新卒採用を増やす」と回答。また就職内定率も2年前と比べて20%近く向上しています。

(岡山理科大学キャリア支援部 瀬良道訓 部長)
「辞退する学生も非常に多いので、それも見込んで内定を多めに出したりとか」