背景にあるのは、深刻さを増す過疎化…
過疎化が進む東猪谷地区。

百万石行列は、前回行われた2003年も人手不足で開催が危ぶまれましたが、近隣地区の応援や女性も行列に加わるという、それまでの慣習を変えることで何とか伝統を守り抜きました。

その後、住民たちは保存会を立ち上げ、祭りの担い手育成に力を入れてきました。
しかし人口は減少の一途をたどり、20年前のおよそ半分に…。
過疎化による担い手不足に加え新型コロナの影響もあり、その長い歴史に幕をおろすことになりました。

東猪谷伝統文化保存会 中野秀会長:「1か月以上前から準備をやっとるんですけど。この幕も新しくしたんです。ことしご遷宮なので。いろいろやってみたんですけど」

澄み切った青空が広がった4月22日。素戔嗚社(すさのおしゃ)では行列は中止となりましたが遷宮祭が行われ、地元の若者や子供たちが踊りや獅子舞を披露しました。

地元の女性:「この道をずっとずっと。ずっと1人1人もってな。本当にあの時はいかった。二度とできん。もうこれからできんわのう…」


前回までは、きらびやかな衣装に身をまとった総勢100人の男衆が、掛け声や笛、太鼓に合わせてゆっくりと里を練り歩いていましたが…。

今回はご神体が乗ったみこしが近くの公民館まで移動するだけ。行列はなくなり簡素なものになりました。
地元の女性:「なかなか人が少なくなってここまでやるのも大変やったと思いますけどね。皆さんよくやってくださったと思って」
