静岡県熱海市の土石流災害をめぐる行政対応を検証する第三者委員会が最終報告をまとめました。報告書は「行政対応は失敗だった」と県と熱海市の落ち度を指摘しています。
<第三者委員会 委員長 青島伸雄弁護士>
「適切な対応が取られていたならば、被害の発生防止や軽減が可能であったのではないか。よって、本件における行政対応は失敗であった」
「県と熱海市の対応は失敗だった」と結論づけた第三者委員会。5月13日、盛り土をめぐる行政対応の最終報告をまとめました。
土石流の起点となった盛り土については、これまでに熱海市が不備のある届け出を受理していたことや市と県の職員が崩落の危険性を認識しながら業者への措置命令を見送っていたことなどが分かっています。
<第三者委員会 委員長 青島伸雄弁護士>
「初動の届け出の受付の段階が一番の原因かなと」
工事を止めていた1年間に策を打てなかったのか、疑問を呈しました。
<第三者委員会 委員長 青島伸雄弁護士>
「その間に県と市はこの悪質な業者に、将来同じようなことをやってくるだろうから、どうしたらいいのかということを、もっと密に情報交換すべきだったのではなかったのか。そうすれば、今回のような件は起こらなかっただろうというのが委員の意見です」
最終報告では、業者から不備のある届け出が出された際や違法行為が確認された際にも「最悪の事態を想定できず、断固たる措置をとらなかった」と指摘。
また、「県と市の連携が不十分で足並みが揃わなかったため、行政対応の矛盾をつかれて盛り土造成が進められてしまった」などとして組織的な対応の失敗を問題視しました。
行政側の対応を「失敗」と結論づけられた県と熱海市は…。
<静岡県 難波喬司副知事>
「しっかりと受け止めて、今回のような災害が二度と起こらないように行政として対応していきたい」
<熱海市 斉藤栄市長>
「報告書の中で指摘されている反省点は真摯に対応しなければならないが、全体としては納得しかねるものと言わざるを得ない」
最終報告を受けて、県は来週にも見解と今後の対応について発表する予定で、熱海市は現在行われている百条委員会の結果を踏まえて対応を判断したいとしています。
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