スイミングスクールに参加した5歳児が22日、プールの中で沈んだ状態で見つかり死亡した事故。フィットネスクラブを運営し、スイミングスクール事業を行う「株式会社オーパス」形田博之代表は、23日、事故の要因について「監視態勢に緩みがあった」と話しました。事故を防ぐことはできなかったのでしょうか…。

質問:「今回の事態をどう考えているのか?」
株式会社オーパス 形田博之代表:「取り返しのつかないことになってしまったと思っています。いくら言葉があれども、この事実はどうにもならないことなので、こちらの落ち度ということしかありません。危機管理、以前から『お遊びの時間が一番危ないから、監視態勢をとるように』とは重々言っていますし、ほかのクラブのコーチたちにもそれは伝えています。だから、その点で『溺れるわけはないだろう』という過信があったのだろうということだと思います。毎日スクールやっている中で当然、緩みが出たということだと思います。危ないことはあるんですけど、そのたびに助ける。救助するということはやってきて、28年間、こういうことはなかったですし、今回は当然緩みがあったというのは否めないと思っています」

質問:「当時の状況については?」
株式会社オーパス 形田博之代表:
「沈んでいた子どもに気づいたのが、そこにいた子どもだった。教室に参加していた(児童の保護者が)救いあげて、プールサイドにあげて、コーチたちが気づいた。そこで心肺蘇生をしたんですけど。その中に保護者の方がいたので、すぐに心肺蘇生しして、AEDも準備して、子ども用があるので、それをつけても反応しなかったので、すぐ救急車も、溺れた時点で救急車も呼んであったので、それから5分ぐらいで到着したと思います」

質問:「どれくらい沈んでいたのか?」
株式会社オーパス 形田博之代表:
「それがちょっと定かじゃないんですけど、浮いてる状態ならすぐ気づけたのだろうけど、沈んでいたということで発見が遅くなったということなんですけど…」

質問:「通常は浮き具などつけているのか?」
株式会社オーパス 形田博之代表:
「そういうクラスの子なので、『ヘルパー』という腰に巻く浮き輪をつけていたんですけど、飛び込んだときに外れてしまって、フロアの上に落ちたんですけど、そこから外れた拍子で深いところに落ちてしまった」

ヘルパーと呼ばれる腰に巻く“浮き具”

株式会社オーパス 形田博之代表:「浅い60センチの台が敷いてあって、小さい子どもでも立てるような台があるんですけど、そこに飛び込んだときに、上から飛び込んだときにヘルパーが外れてしまった。プールには浮き具が浮いていた」

水中で子どもが立てるよう台がプールに敷いてあった

質問:「浮き具はすぐに外れるのか?」
株式会社オーパス 形田博之代表:
「しっかり縛っておけば外れないんですけど、そこもここの落ち度。お兄ちゃんがいるので一緒に遊んでいたんですけど、そのうち一人でプールにいって、当然それもあることですけど、それに監視が怠ったということです」

質問:「態勢については?」
株式会社オーパス 形田博之代表:

「きのうも遅くまで、プールのお遊びの時が一番危ないというのは、当然前から話していたので、プールフロアの浮き島があって、そこで遊ぶ時には、立たたないように。立ったら不安定なので、それで転んだ時に子ども同士が頭を打ったら危険なので、座って浮き島にのるというルールはありますし、監視もプールの中ではなく、上で監視するということになっているんですけど、コーチたちがプールの中で子どもと遊んでいたということで、そんなに多い人数でなかったので、こういうことになって、悔やまれてならないです」

質問:「監視態勢に問題はなかったのか?」
株式会社オーパス 形田博之代表:
「プールサイドに3人いたけど、間隔あけてコーチが並んで監視するということを怠った。コーチは3人いたので、19人の中で3人は、少ないとは思わない」

質問:「プールには見えづらい死角があるのでは?」
株式会社オーパス 形田博之代表:
「死角はない、上に立っているコーチに、ほかの子どもたちがちょっかい出しにくる。遊びにこようとする。ボールを投げるということがあって、結局そっちに気をとられていたということでした。本来はクラスで一番足が届かない子どもはその子だった、一人だったのできのうもミーティングで話したけど、当然、自分のそばにおいて遊ばせないといけないと言いましたし、本人も大分落ち込んでいますし…」

質問:「今後については?」
株式会社オーパス 形田博之代表:
「きょうはスクールでしたけど、コーチたちがそういう精神状態ではないので、きょうは本来バスツアーで旅行に行く予定だったんですけど、キャンセルして、その時は、こういう事故があって亡くなられてということで、そういうことで中止しますということです」「スイミングスクールは休業ですが、大人のほうは営業します。子どもたちが休み。 教室はやらない。ジムは営業(このあと休業することになった)。ほかの子どもに気をとられていた。立っていても、見ていなければ溺れるだろうという視点になっていないということが、『溺れないだろう』という考えからこういうことが起きたわけで、長い年数やっていれば何の問題もないが、結果緩みが出てしまった」

質問:「改めて監視体制は十分だったと思いますか?」
株式会社オーパス 形田博之代表:
「まったく十分ではないです。その辺についてこういうことになってしまって、取り返しのつかないことになってしまって。今後はマニュアル通りやりなさいということ以前に、身にしみて、こういうスタッフたちは注意すると思いますし、きょうのこの新聞に載ると思いますけど、ずっと机において業務しようといいました」

質問:保護者に対して
株式会社オーパス 形田博之代表:
「大切なお子さんを水難事故から守ろうというメインのスイミングスクールなので、うちも小さい子どものうちに、自分でかえってこられるように、自分の身を守るような指導をしていますので、その段階のところでなくしてしまって、悔しいですし、情けないですし、保護者の方には誠意をもって謝るしかないと思っています」