「大丈夫、気にしなくていいんじゃない」母親の言葉
五十嵐さん自身もレズビアンで、LGBTQの当事者だ。カミングアウトは中学生の時だった。当時、教科書を開けば「思春期になると異性のことを好きになるのは自然なこと」と書かれているなど、今よりもはるかに理解が広がっていない時代だったと振り返る。
「当時の感覚は今でもよく残っています。「わたし、女の子が好きかもしれない」と言う時のいいづらさと、喉が渇く感じ、体が言っちゃダメと言っているし、喉から心臓が出ちゃうんじゃないかと本当に緊張して…」
ただ、母親にそれを打ち明けたときの反応は、意外なものだったという。
「『大丈夫よ、気にしなくていいんじゃない』って、すごくあっさりしていて。すごくほっとしたんですよね」
「ラッキーという言い方は語弊があるかもしれないですけれど、家族の理解があって今があるかな、というのはあります」
自分の場合は『成功体験』だったと振り返る五十嵐さん。ただ、自身が代表となった「レガシー」のような場所が、もし当時あったらどうだったでしょうか、と尋ねると。
「あの当時、これだけ情報があったら、どんなによかったかと思いますね」
「自分のことを気持ち悪いと思っていましたし、こんな人他にいないし、治さなきゃって思っていました。(ここは)いや、そんなことしなくてもいいよって教えてくれるところですから」















