福島県産品をめぐっては、現在、12の国と地域で、輸入規制が続いています。
このうち、中国と香港・マカオでは、広い品目で輸入を停止、韓国と台湾では、水産物など一部の食品で輸入規制をしています。

県産農産物の輸出量を示したグラフを見ると、震災前には153トンあった輸出量は、震災、原発事故の影響で2011年には17トンまで落ち込みました。さらに、その翌年には2トン、2013年には5トンと輸出量は、震災前のおよそ1割にとどまる状況が続いていました。

こうした中、県は、実際に海外に足を運び県産品のプロモーション活動を行い、食品の安全性はもちろん品質の良さを発信してきました。モモや米など、主力商品を現地の量販店でPRすることで、福島の食品の魅力が少しずつ海外でも認知されるようになりました。

その結果、輸出量は大幅に伸び、2017年には震災前を上回る213トンを輸出。いまもその量は増え続け、おととしは、震災前の約3倍にあたる432トンと過去最高となりました。

今後について県は、まずは、「12の国と地域で出されている輸入規制を0にすることが目標」と話しています。そのために、「引き続き現地で試食会を開くなどして情報発信に取り組んでいきたい」としています。

EUでは、今年6月ごろに日本産の食品に対する輸入規制の見直しが協議される見通しです。これまでの県内の取り組みがしっかりと評価され、福島の食の魅力が海外にも広まることが期待されます。