ロシアの侵攻を受けたウクライナを支援しようと、鳥取県倉吉市にある歯科技工所が立ち上がりました。
仕事の一部をウクライナに発注します。
ウクライナへの支援を始めたのは鳥取県倉吉市にある倉繁歯科技工所。
SNSで交流があった、ウクライナ・リビウの同業者、コントール・デンタル・ラボラトリの苦しい状況を知ったのがきっかけです。
倉繁歯科技工所 倉繁竜士 取締役
「キーウから避難民を受け入れているような体制ですし、ご家族が兵隊として戦地に赴かれています。当然国内の仕事というのはほとんどないような状況だと」
何か手助けはできないかと考える中で、日本の歯科技工所の仕事の一部をウクライナでやってもらおうと思いつきました。
その仕組みはこうです。
歯医者さんで取った歯形を元に日本の歯科技工所で作った石膏模型、これをスキャンして立体データに変換し、ウクライナに送ります。
ウクライナの歯科技工士は受け取ったデータを元にして歯の被せ物をデザインし、立体データを日本に送り返します。
日本の歯科技工所は送り返されたデータを元に実際の被せ物を製作。
業界では、現物ではなく立体データをやりとりする環境が整っていたことが、こうした支援策を可能にしました。
あえて仕事として発注することに大きな意味があると考えています。
倉繁歯科技工所 倉繁竜士 取締役
「例えば募金とかそういったものもると思うんですけど、どうしてもそれが一過性になってしまいます。仕事をお渡しすることで、向こうのやりがいだったり生きがいだったり、そういったものが生み出せるのではないかと、それを期待して今回つながりを持ちました」
仕事を通じたウクライナ支援には群馬県や福井県、沖縄県の同業者も賛同して加わりました。
報酬は被せ物1個につき8ユーロ、およそ1000円。
発注から2日ほどでデータが帰ってきますが、品質も申し分ないといいます。
倉繁歯科技工所 倉繁竜士 取締役
「すごく上手だなと、技術のレベルはすごく高いということを痛感しました」
いつか平和が訪れれば対面での技術交流もしたいと倉繁さん。
ヒマワリ・デンタル・プロジェクトと名付け、ウクライナの同業者を仕事の形で支え続けています。
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