岸田総理の演説直前に爆発物が投げ込まれた事件。逮捕された容疑者のリュックには液体が入った水筒や粉末入りの小瓶が入っていた事が新たに判明しました。選挙制度に強い不満を持っていた容疑者。国に提訴を起こしていたことも分かりましたが、その主張とは。

選挙制度に“強い不満”か ツイッターに裁判内容も…

ネット上で、木村隆二容疑者(24)による投稿なのでは、と憶測が飛び交うツイッターのアカウント。

裁判について投稿されているアカウント
「参院選に立候補出来なかったとして、20代前半の原告が国を提訴しました」
「成人以上の年齢を要求することや、300万円もの大金を支払わないと立候補させないことは、明確な制限選挙です」

さらに岸田総理に関する内容も…

裁判について投稿されているアカウント
「民主主義を断固として守り抜く決意があるのなら、普通選挙やりましょうよ。岸田首相も世襲3世ですが、民意を無視する人が政治家には通常なれません」

15日、岸田総理に向かって爆発物を投げたとして逮捕された木村容疑者。

依然、黙秘を続けていますが、選挙制度に強い不満を持っていたとみられ、国を相手取り提訴していたことが新たにわかりました。

裁判記録によると、木村容疑者は2022年7月の参院選で、立候補できる30歳に達しておらず、また、供託金300万円が用意できなかったため、立候補できませんでした。

これを受け、木村容疑者は、国に10万円の損害賠償を求めて2022年6月、神戸地裁に訴えを起こしていました。

木村容疑者の主張は…

木村容疑者(2022年10月の主張書面)
「年齢の要件は何ら理由がなく、原告が社会的経験に基づく思慮が十分ではなく、その分別を有しないとされる差別である」

さらに安倍元総理の国葬を決めた岸田総理への批判も。

木村容疑者(2022年10月の主張書面)
「岸田内閣は故安倍晋三の国葬を世論の反対多数の中で議会での審理を経ずに閣議決定のみで強行した。このような民主主義への挑戦は許されるべきものではない

弁護士を付けない「本人訴訟」で争った木村容疑者。

神戸地裁は2022年11月、訴えを退けましたが、木村容疑者は大阪高裁に控訴しました。

控訴の理由の中にも“選挙制度への強い不満”が現れている記述が。

木村容疑者(控訴状より)
「既存政治家は国民の信任を経ずとも(旧)統一教会の組織票で当選し、利益を不当に独占し、国民に損害を与え続けている」

この裁判について、2022年から投稿されているアカウント。

訴状の画像も投稿されていて、原告の名前は黒く塗りつぶされていますが、訴状が受理された日付が6月24日となっていて、木村容疑者が裁判所に提出した訴状の受理日と一致します。

最後の投稿は、事件の4日前の4月11日。

裁判について投稿されているアカウント
「投票だけは行っている、民主主義風の専制政治国家が日本です」

木村容疑者とみられる男は、国会議員にも接触し、被選挙権の引き下げを求めていました。

大串正樹デジタル副大臣
「選挙に出る上で被選挙権を自分が持っていないということで国会議員であれば、そこは法改正するべきではないかと自分が(選挙に)出られないのは憲法違反ではないかということを、かなり主張されていた」

大串デジタル副大臣は2022年9月、兵庫県・川西市の市議会議員(当時)の「市政報告会」に出席。木村容疑者とみられる男から約20分にわたって被選挙権について質問を受けたということです。

大串デジタル副大臣は、現時点では今回の事件の動機につながるかはわからないとしています。