熊本地震で被災した南阿蘇鉄道が、2023年7月15日に全線開通を迎えます。沿線でその日を待つ皆さんのもとを訪ねました。
最初に訪れたのは、現在運休中の立野駅。今年3月31日に駅舎が完成しました。

ここを拠点に南阿蘇の観光が盛り上がる素敵な場所になりそうです。
「地震後は売上ゼロに」立野駅とともに歩んできた老舗の饅頭店
立野駅の隣、創業116年(!)の「ニコニコ饅頭」

4代目の高瀬さんはその日を待ちわびて、全線開通までのカウントダウンボードを準備していました。

ニコニコ饅頭 高瀬さん「(カウントダウンを)ちょっとワクワクした感じでは替えていますけど、まだ全線開通までは3か月ちょっとあるので、5日ぐらい(前倒しして)飛ばそうかなとかいうときもあります」

地震前の売り上げは年間1万パックを越えていましたが、地震後は、駅周辺が静かになり売り上げが「ゼロ」に…営業が危ぶまれる状態が続いたそうです。

存続していくために、5年前から益城町のスーパーでの販売も開始。売り上げは地震前のおよそ6割~7割まで回復しました。
髙瀬さん「どうにかこうにかここまでやってこれました」

自家製のこしあんを薄皮で包み、ふっくらと蒸しあげた、創業以来変わらない味の「ニコニコ饅頭」

リポーター「おいしい!こしあんがまたしっとりといいですね。生地もふわふわで車窓眺めながら温かいお茶でもいただいてという」

3代目のご両親と、この場所で地域を見続けてきました。

高瀬さん「こういった復興を見られるのも私の特権と言いますか、間近で見ることができて嬉しいです。たくさんのお客さんに(駅を)利用してもらって、当店も利用してもらって、新しいスタートがきれればいいなと思います」