アメリカの司法省は過剰摂取で死に至る合成ドラッグ「フェンタニル」の密売に関与した疑いで、メキシコの麻薬密売カルテルの構成員ら28人を訴追したと発表しました。

アメリカの司法省が訴追したのは、メキシコの麻薬カルテル「シナロア・カルテル」の構成員ら28人で、その中には「麻薬王」と呼ばれる通称「エル・チャポ」受刑者の4人の息子も含まれています。

司法省は「シナロア・カルテル」が合成麻薬「フェンタニル」をメキシコで製造し、大量にアメリカに密輸した疑いがあるとしています。

また、製造に必要な化学物質を提供したとして、中国とグアテマラのカルテル関係者も訴追したほか、財務省が中国に拠点を置く2つの化学企業などに対して経済制裁を科し、アメリカ国内に保有する資産を凍結したと発表しました。

アメリカでは2021年8月からの1年間で10万7000人あまりが薬物の過剰摂取で死亡。そのうちおよそ8万人が「フェンタニル」などの麻薬鎮痛剤を使っていたということで、大きな社会問題になっています。