政府の有識者会議は外国人技能実習制度を廃止し、新たな制度を検討していることを明らかにしました。「国際貢献」の名目と現場の実態がかい離していると批判があった技能実習制度。新制度では外国人労働者の人権は守られるのでしょうか?
埼玉県和光市の工務店社長・内田友和さん(45)。会社の従業員は、7人中3人が外国人です。
内田友和 社長
「もう実習生に頼るしかないような形になっています。ある現場で10人ぐらい職人さんいたんですけど、日本人が2人で、あと全員が実習生でした」
外国人技能実習制度は途上国の人を「実習生」として企業が受け入れ、技術を教える「国際貢献」が目的とされていました。しかし、現場からは。
内田友和 社長
「いやもうお金稼ぎに来てるしかないですよね」
ベトナム人技能実習生(24)
「毎月給料もらって、私、貯金しています。多ければ多いほどいいです」
長年、目的と実態がかい離していると言われてきた技能実習制度。人権侵害もたびたび指摘されてきました。
「聞こえてんのかよ。オイ。シカトしてんじゃねーよ。お前俺と一緒に仕事しなければベトナム帰れだからね。終わりね」
これは、去年JNNが入手した関東の作業現場の映像です。技能実習生が受け入れ企業の社長から暴力を受けています。
記者
「こちらが残業代未払いの問題となっている会社です」
さらに、JNNが取材した愛媛の縫製工場では、残業代の未払い問題が起きていました。未払い問題は全国各地で報告されています。なぜ、こうした問題が相次いだのでしょうか。
大きな要因とされているのは「転職の制限」です。技能実習生として来日した外国人は技能を学ぶため、一定期間、務め先の変更が簡単にできなくなっていて、職場に問題があっても従わざるを得ませんでした。
政府の有識者会議はきょう、技能実習制度を廃止し、「国際貢献」ではなく「国内の労働人材確保」のための新制度を検討していることを明らかにしました。
問題に取り組んできた専門家は。
日越ともいき支援会 吉水慈豊 代表理事
「やっと技能実習制度廃止っていう言葉を国が使ったなというのが第一印象。ただ看板をかけかえただけで中身がまったく変わらないんであれば、本当に無意味な話し合いになってしまう。できるだけ現場の声を吸い取っていただいて、新しい制度に反映していただきたい」
最終報告は秋にまとめられる予定です。
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