震災と原発事故で一時、すべての住民が避難していた福島県大熊町で12年ぶりに学校が再開しました。新たな学校では、0歳から15歳の子どもたちが一緒に学んでいきます。
10日、4年前に避難指示が解除された大熊町大川原地区に子どもたちの姿が戻り、地元の住民たちが子どもたちを出迎えました。
出迎えた大熊町民「うれしいです。何もない所に引っ越してきたので、子どもがいっぱい行ったり来たりしていてうれしいな」
大熊町で再開したのが、「学び舎(や)ゆめの森」です。震災・原発事故後、12年ぶりに町内で学校が再開しました。この学校は、「認定こども園」と小中学校が一体となり、0歳から15歳までが一緒に学ぶことができます。
10日に行われた「始まりの式」には、「学び舎ゆめの森」に通う26人の子どが出席。吉田淳町長が「ひとりひとりが輝ける教育環境の実現に取り組みます」と挨拶しました。
石井埜乃佳さん(9年)「みなさんに立派な大熊っ子に育っていく姿を見せられるよう、誇りをもって自分の未来を切り開いていくことを誓います」
震災と原発事故で全町避難を余儀なくされた大熊町。これまで町にあった小中学校は、避難先の会津若松市に移転していました。
水津邦治アナウンサー「大熊町の大川原地区にある復興拠点です。あちらにあるのが建設中の新しい校舎「学び舎ゆめの森」です」
校舎は、現在建設中のため、当面は町内の施設などで授業を行い、子どもたちが新しい校舎に通うのは、今年8月からの予定です。
式に出席した5年生の後藤愛琉(あいる)さん。後藤さんは、震災のあとに生まれたため、両親が住んでいた大熊町で生活をしたことがありません。
後藤愛琉さん(5年)「明日から友達と登校するので楽しみだと思っています。にぎやかな町にしていきたいなと思っています」
後藤さん家族は、猪苗代町などで避難生活を送っていましたが、この春から町内に移り住みました。
母・後藤仁美さん「子どもたちが思っていた以上にいっぱいいて、子どもたちもすごく喜んでいて私もうれしいです。生活の上で不便なことがあっても学校が近くにあるというのが一番のメリットだと思っていて、大熊の生活を楽しみたいと思います」
大熊町に戻った「学び舎ゆめの森」。子どもたちの笑顔が地域を明るく照らします。














