■マスターズ2023 最終日(日本時間9~10日、米・ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC 7545ヤード・パー72)
ゴルフのメジャー今季初戦マスターズの最終日は、順延となった前日の第3ラウンドから再開。J.ラーム(28・スペイン)がトータル12アンダーで初優勝を果たした。スペイン人としては4人目の快挙となる。2年ぶり2度目の優勝を目指した松山英樹(31)は第3ラウンドを12番パー3から再開し3バーディーと猛チャージ。トータル5アンダーの5位タイと一気に順位をあげた。しかし、最終ラウンドはショット、パット共に苦しみ、2バーディー5ボギーとスコアを落としトータル2アンダーの16位タイで競技を終えた。
悪天候に見舞われた2日目、3日目から一転、最終日は夢舞台の名に相応しい快晴に。しかし、オーガスタ特有の読みにくい風が選手たちを苦しめた。
3日目終了時点で、トータル2アンダー17位タイからスタートした松山は再開した第3ラウンドで一気にスコアを伸ばす。
12番パー3、約1mのバーディーパットを沈めバーディースタートとすると、13番パー5では3打目をピン側約2mにつけ連続バーディー。
15番パー5でもバーディーを奪い、トータル5アンダー。順位を第3ラウンドで12上げる猛チャージを見せた。
約3時間の休憩を挟み、首位のB.ケプカ(32・アメリカ)と6打差でスタートした最終ラウンド。松山は1番パー4でボギーとするがすぐに2番パー5で3打目をバンカーから寄せバーディーを奪い返す。4番パー3でも大会を通して光ったアプローチがこの日も冴え渡りバンカーからパーを拾う。しかし5番パー4では、グリーンの右手前にパーオンに成功するも3パットのボギー。8番パー5では約6mのバーディーパットをねじ込み、2バーディ2ボギーで前半9ホールを折り返す。
後半では何度もチャンスにつけるがバーディーチャンスを生かしきれない苦しい展開に。すると14番パー4ではセカンドショットがクリーンから外れボギー。17番パー4ではセカンドショットがグリーン手前のバンカーに入りボギー。18番パー4もグリーン手前のバンカーからサンドセーブできずボギーフィニッシュとなった。
初日はフェアウェイキープ率100%を記録するなどショットに安定感があったが、最終ラウンドではそのキレを失ってしまった松山。プレー後には「大会を通してティーショットが良ければパッティングが良くなかったりとチグハグした状態が続き、最後は両方とも上手くいかなかった。やっぱり体が4日間良い状態でプレーできないのが悔しい」と今大会を総括した。
放送で解説を務めた中嶋常幸プロ(68)からは「後でアプローチを教えてほしい」というリクエストが。世界でも指折りの松山の技に虜となったレジェンドからの思わぬ要求に笑顔を見せながら「次のメジャー大会、全米プロまでにしっかり準備して勝てるように頑張りたい」と今後の意気込みを語った。
<主な選手の順位>※@はアマチュア
1位-12 J.ラーム
2位タイ-8 P.ミケルソン(52・アメリカ)、B.ケプカ(32・アメリカ)
4位タイ-7 J.スピース(29・アメリカ) 他2名
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16位タイ-2 松山英樹、S.ベネット@(23・アメリカ)
途中棄権 T.ウッズ(47・アメリカ)
<過去のスペイン人マスターズ王者>
1980年 セベ・バレステロス
1983年 セベ・バレステロス
1993年 ホセ・マリア・オラサバル
1999年 ホセ・マリア・オラサバル
2017年 セルヒオ・ガルシア