「一歩間違ったら、崖の下に転がり落ちてしまうお子さんばかり」

小児専用ICUには、24時間、昼夜を問わず急患が運ばれてきます。
この日、救急搬送されて来たのは1歳の男の子。高熱があり痙攣を起こしていました。コロナへの感染も疑われるため、急遽他の患者を移し感染症対応の個室を準備します。
聖マリアンナ医大病院・小児専用ICU 川口敦 医師
「熱があるので何らかの感染だと思うんです。PCR含めウイルス検査をしてから、病室から出そうかなと」
PCR検査の結果は陰性。しかし血圧が著しく低下しているため、酸素を投与しながら容体を管理することになりました。

川口 医師
「一歩間違ったら、崖の下に転がり落ちてしまうお子さんばかりなんですよ。(急患は)診断も付いていないような状況でやっていかないといけないですね。何手先を読めるかが本当に勝負なんですよ」
一時心肺停止、治療続けていた小学1年生の女の子は…

コロナに感染後、一時心肺停止となり、治療を続けていた小学1年生の女の子。
心臓の機能がなかなか回復しない状態が続いていましたが、その後の精密検査で“心臓の血管”に疾患があったことが判明。元々、血栓ができやすい状態があり、そこにコロナの感染が重なったことで心筋梗塞を発症したとみられています。
そしてこの3月…

看護師たち
「退院おめでとうございます!よく頑張ったね」
女の子は1か月余りのリハビリを経て、退院することができました。新学期から学校に通えるようになりましたが、心臓の機能は5割程度にしか戻っておらず、今後心臓の手術を受ける予定です。
コロナで重症化した女の子の母親
「正直複雑なところもあるし、起きてしまったことは辛かったんですけど、でも受け入れて頂いて本当にありがとうございました」
川口 医師
「子どもの重症コロナ患者を診る施設が、多くの地域で不足していることが明らかになったんです。どういう状況になろうが、医療を崩壊させずに子どもたちの命を必ず守れる体制を、地域で役割分担をして備えていくことが大事」














