台湾の蔡英文総統とアメリカのマッカーシー下院議長の会談に中国政府は反発していますが、今回、中国による軍事的圧力の強化はあるのでしょうか? 去年、中国軍による大規模な軍事演習が行われた島を取材しました。

中国本土で台湾本島に最も近い福建省の平潭島。

記者
「習近平国家主席の写真が載った看板があります」

「中国と台湾は一つの家族 共に中国の夢を実現する」と書かれた看板も見られます。

この島から台湾までのおよそ100キロあまりを海底トンネルで結び、高速鉄道を通す計画もあるなど、習近平指導部の掲げる「台湾統一」の最前線となっています。

記者
「去年はこの場所からミサイルのようなものが発射されるのが確認されましたが、現在は静かという印象です」

去年8月、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に激しく反発した中国は、この島の周辺で大規模な軍事演習を行いました。

しかし、今回は、去年のような緊迫感はありません。

観光客
「ここに来た目的は、ここは台湾に一番近い観光名所だから見たいと思ってきました」
Q.台湾から近いですが、怖いと思ったりしますか?
「まさか。なぜ怖いですか?」

地元の人たちは、新型コロナの収束に伴い観光客も増えたと喜びますが、台湾の話題になると…

地元の人
「台湾のことは全くわからない。行ったこともないし」

島内にある台湾の商品を扱った免税市場は閑散としていて、いまの中国と台湾の冷え込んだ関係を象徴しているかのようです。