(井口キャスター)今回の統一地方選挙について取材している安部記者の解説です。今回の参院補選、どんな選挙戦になるんでしょうか?

(安部記者)参院大分選挙区の補選はまさに与野党一騎打ちの構図です。他の4つの衆院補選とともに岸田政権に対する「中間評価」と位置付けられています。

(井口)全国的にも注目されていますね。

(安部)大分は唯一、与野党ともに大激戦と予想しています。自民党は岸田総理、立憲民主党は6日の泉代表、いずれも大物議員を続々と送り込む予定で、党本部を挙げた戦いとなります。

(井口)超短期決戦となった今回の候補者ですが、届け出順に、まずは自民党・新人の白坂さんは異色の経歴の持ち主ですよね。

(安部)竹田市出身の白坂さんは東京・銀座で飲食店を3店舗経営していて、自民党県連が3月実施した公募で選ばれました。女性候補を全面に打ち出し政策に少子化対策や女性が活躍できる社会の実現を盛り込むことで、自公の票だけでなく無党派層の取り込みを狙っています。

(井口)一方、立憲民主党で前参議院議員の吉田さんは連合大分をはじめとした「野党統一候補」として戦うんですよね。

(安部)元々は野党系議員の議席だったことから、死守したい立憲の党本部は「最強の候補者」として参院比例から鞍替えさせてまで吉田さんを擁立しました。出身母体の自治労は「吉田さんの政治生命が懸かっているので絶対に落とせない」と選挙戦に力を入れています。

(渡辺キャスター)今回の参院補選の争点について、街頭で県民に聞きました。

(県民)「物価高は生活をしていて感じるので対策して欲しい、少子化の取り組みは子どもが小さいので気になる」「子どもへの手厚い補助などが充実すれば安心」「若者が大分で生活しやすくなるような支援をして欲しい」

(井口)やはり県民が気になっているのは、物価高騰といった生活に密着した問題ですね。

(安部)政府の物価高騰対策をはじめとして、異次元の少子化対策や防衛費の増額などが争点になってくると思われます。

(井口)大分で参員補選が実施されるのは実に1976年以来47年ぶりです。また、選挙結果は岸田政権の運営や衆議院の解散戦略にも影響を与えそうですね。

(安部)大分の参議院の議席は去年まで野党が2議席とも独占していました。それが前回自民が1議席獲得しました。このまま与党が独占するのか、野党が死守するのか、激しい選挙戦となります。

(井口)参議員補欠選挙は17日間の選挙戦を経て、23日に投票が行われ、即日開票されます。